2024.11.21
経営者の経理兼務はコスト削減になるのか?見落としてはならない「社長の価値」
経営者が兼務する経理業務とは 少子化の進行によって、わが国の生産年齢人口(15~64歳)は減少を続けています。それを補っていた高齢者の就業者数も近年では減少に転じていることから、人材不足の問題はより…
エンゲージメント(Engagement)とは、「婚約」「誓約」「約束」「契約」といった意味を持つ英単語です。特にビジネス分野の人事領域では、従業員の愛社精神や意欲、離職率に関わるとして、近年注目を集めています。
エンゲージメントは、人事領域では会社に対する従業員の「愛着心」「愛社精神」「思い入れ」といった解釈で使われることが多いです。しかし実際の人事の現場では、似たようなワードもよく使われています。それらの言葉とエンゲージメントとの違いは何でしょうか。
あえて「従業員エンゲージメント」とする場合は、企業と従業員とが相互に影響を及ぼし合い、共に必要な存在として絆を深めながら、成長できるような関係を築いていくことを指します。
従業員満足度とは、「従業員が待遇や環境、報酬に対してどの程度満足しているか」という指標です。本来は少し異なる意味ですが、エンゲージメントと同じ意味で用いるケースもあります。
モチベーション(Motivation)とは本来、人が行動するときの動機付けや目的意識を指す英単語です。ビジネスでは、従業員の仕事に対する「やる気」や「意欲」を指すことが多く、従業員個人の意識を表す言葉だと言えるでしょう。
ロイヤルティ(Loyalty)は、直訳すると「忠誠心」を意味する英語です。ビジネスにおいて用いる場合は、企業ブランドや商品に対する愛着や貢献したい気持ちを指しています。
従業員エンゲージメントが高い企業は、実際にどのような効果があるのでしょうか。『日本の人事部 人事白書2019』のアンケートによると、エンゲージメントが高い企業では、次のような状態にあることがわかりました。
【エンゲージメントが高い状態とは】
仕事そのものへの情熱・熱意:62.9%
会社全般への満足感:61%
会社への愛着:60.5%
職務への満足感:58.4%
仕事の成果が会社に大きく貢献している状態:42.1%
この結果から、従業員エンゲージメントの高い状態を保つことで次のようなメリットが期待できます。
エンゲージメントが高いということは、従業員が仕事そのものに情熱を持ち、熱意がある状態です。モチベーションが高く、一人ひとりが自発的かつ積極的に仕事に取り組むことで高いパフォーマンスを発揮するでしょう。そうなると、生産性向上も実現します。
高いエンゲージメントは、企業と従業員との信頼関係が構築できているからこそ得られるものです。また、自社に対する愛着から、自社商品・サービスの品質に対する誇りが芽生えるでしょう。そうなると、商品やサービス、カスタマーサービスの品質があがり、顧客満足度アップも期待できます。
企業の待遇に満足しているため、自ずと離職率は低下します。そうなると、自社の業務に関するノウハウやナレッジが着実に継承されていくでしょう。また「定着率の高い企業は、労働環境が良好で働きがいのある会社だ」と思われるため、社会的信用が高まることにもつながるでしょう。
以上3つのメリットにより、企業の業績は上昇する傾向にあります。また、対外的な信用を得たことで、マーケティング戦略も行いやすくなり、営業機会の創出につながります。さらに、人材採用活動や資金調達にも好影響を与えることになるでしょう。
エンゲージメントを高めるためには、さまざま施策が必要です。しかし、その施策が自社に合ったものでなければ、逆効果になりかねません。
ここでは、エンゲージメントを高めるための基本的なステップを紹介します。
まずは従業員のエンゲージメントを計測しましょう。ここでは、数値によって見える化して従業員の価値観を把握することが大切です。現時点のエンゲージメントを計測して、従業員の期待や不満を可視化することで、自社の取り組むべき課題が明確になります。
ただし、従業員に対して丁寧に事前説明を行い、エンゲージメント計測の目的や方法を十分に理解してもらったうえで行うことが重要です。
計測方法には、いくつかの種類があります。アンケート調査が多いですが、面談や自己申告票の記録、外部の専用ツールを用いることも可能です。外部ツールの多くは、自社に合わせて設問をカスタマイズでき、従業員の回答は匿名データとして集計されます。そのため、面談や自己申告票よりも「余計なことを考えず、気軽に素直に回答できる」というメリットがあります。
エンゲージメントを上げるためには、企業の描くビジョンを従業員と共有することが大切です。ビジョンへの共感を得ていない状態では、従業員が進む方向を見誤ったり見失ったりしやすくなります。また、「何のために仕事をしているのか」がわからなくなり、情熱を失ってしまうこともあるでしょう。そのため、経営者や直属の上司などの考えを定期的に発信することが重要です。
やりがい作りの短期的な対策としては、社内イベントや報酬アップが挙げられるでしょう。しかし頻繁に行うわけにはいきません。
そこで、長期的な対策を並行実施すると良いでしょう。例えば、従業員それぞれの得意分野や意向を見極め、持ち味を活かす環境を整えたり、スキルアップやキャリア形成を支援したりといった取り組みが効果的です。そのためには、対話が欠かせません。
仕事へのモチベーションを継続するためには、心身共に健やかな状態を保つことが大切です。従業員それぞれの業務負荷に偏りがある状態では、過労状態に陥ったり、不満が募ったりするかもしれません。課題を見つけたら、優先的に労働環境を改善しましょう。
DX(デジタルトランスフォーメーション)ではさまざまな視点から業務フローを見直し、業務効率化を目指します。業務効率化は、働きやすい環境づくりに役立ち、エンゲージメント向上にもつながるでしょう。
ここからは、DXとして挙げられるさまざまな方法のうち、エンゲージメント向上に役立つクラウドツール導入について説明します。
クラウドツールとは、クラウドサーバー上型システムの導入は、以下の機能によって、バックオフィス業務にさまざまな変革をもたらします。
掛取引に必要な請求書や領収書、会議に使う資料など、これまで紙で管理していた書類を電子化して、デジタル管理に変えます。ペーパーレス化が推進され、紙での管理にかかっていた印刷・配布・管理にかかるコストや手間がなくなります。
金融機関やPOSレジシステムとの連携により、取引情報・店舗売上情報・経費などの出金情報が自動取得できるようになります。仕訳や集計まで自動化するため、手入力や転記によるヒューマンエラーがなくなります。これにより、データの正確性が高まるでしょう。
クラウド型システムを導入すると、IDによる権限管理は必要ですが、いつでもどこからでも端末を問わず情報にアクセス可能になります。複数人での情報共有や共同作業もスムーズです。例えば、営業部門や経営者が出先で最新の業績や財務情報を確認することも容易になるため、営業機会を逃しません。
クラウド型システムの導入で、バックオフィス業務におけるルーティン業務はほとんどが自動化され、デジタル管理になります。これによって、以下の効果が期待できます。
クラウドツールを導入した業務は、特定の担当者による属人化を解消します。情報の一元管理により精度向上が期待できると同時に、他部門の社員は必要に応じて自由に情報を共有可能です。そのため、担当者の業務負荷や精神的重圧が大きく軽減されます。
また、これは中小企業に多い「1人経理」によるデメリットやリスク対策としても有効です。上記に加え、業務効率化により繁忙期の時間外労働や他部門に応援を頼む必要がなくなり、心身の負担が減り、働きやすく風通しのよい職場環境になるでしょう。
自動化による工数削減は、リソースに余裕をもたらします。1人経理がバックオフィス業務全般を担っているケースでは、イレギュラーあるいは臨機応変な対応を必要とする業務に注力可能です。バックオフィス業務がスムーズに回ると、生産・営業部門も仕事をしやすくなり、生産性向上が期待できます。
また、ペーパーレス化は会議資料の準備や機密情報書類の処分、アナログ管理情報の捜索といった企業の「ムダ」を排除します。運用コストはかかってもトータルでコストダウンになれば、その分利益率がアップするでしょう。
クラウド型システムの導入で、仕事をする時間と場所を自由に選択できるようになります。業務によっては、テレワークや時短勤務を導入しやすくなるでしょう。従業員自身のライフプランや体調を考慮しながら働けるため、ワークライフバランスの向上にもつながります。
業務効率化で企業の「ムリ・ムダ・ムラ」がなくなり、労働環境も改善されることがわかりました。その結果、従業員の得意分野や意向を反映した業務や、やりがいのあるコア業務に専念することができるようになります。これらのことから、各部門で働く従業員のモチベーションがあがり、企業への信頼や愛着も高まるのです。
つまり、DX化はエンゲージメント向上につながるといえるでしょう。
中小企業に多い「1人経理」は、次の理由からエンゲージメントがあがりにくいと考えられます。
・多様な業務を1人で担っているため、業務負荷が過剰になりやすい
・社内には他に経理知識がある人がいないため、相談相手や理解者がいない
・企業の根幹を支える重要な業務だが、生産性がないため軽んじられやすい
しかし、本コラムで解説したように、DXによる業務効率化は1人経理の労働環境を改善し、属人化リスクも解消します。これは、1人経理本人と企業全体にとってよりよい状況を呼び、エンゲージメント上昇にも役立つでしょう。
エンゲージメントの向上は、従業員の働きやすさや働きがいを支え、定着率を高めます。企業と従業員との信頼度を高め合うことで、企業成長にもつながるでしょう。まずは、自社に合ったDXを取り入れることが重要です。
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