2025.03.27
【15事例を検証】経理業務のアウトソーシングとクラウド型会計システム導入で解決できること
経理業務のアウトソーシングとクラウド型会計システム導入の概要 経理業務のアウトソーシングやクラウド型会計システムの導入は、どちらも人材不足の解消や業務効率化を図るために有効な手段です。しかし、その効…
年末調整は、従業員の給与や賞与にかかる所得税を正しく計算し、源泉徴収額との差額を調整する手続きです。
所得税は、1月1日から12月31日の1年分の所得から所得控除を差し引き、所得税率を乗じて算出します。会社員の場合、1年間の見込み所得に基づいて算出された所得税額を12カ月で割り、毎月の給与から源泉徴収しています。ただし、この源泉徴収は所得控除を考慮していません。そこで、1年分の所得が確定する年末に正しい所得税額を計算し、源泉徴収額との差額を調整する必要があるのです。
企業にとっても、従業員にとっても、年末調整は毎年恒例の作業です。なぜ、毎回「大変だ」と感じるのでしょうか。
従業員が記入する主な書類には、「扶養控除等(異動)申告書」「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」のほか、必要に応じて「保険料控除申告書(控除証明等を添付)」や「住宅借入金等特別控除申告書」などがあります。これらは、従業員にとってほぼ1年に1度しか見ることがない書類です。不慣れなうえ、専門用語が多い書類のため、ミスや記入漏れが起こりやすいのだと考えられます。
扶養控除を申告するためには、家族の収入状況を聞き取らなくてはなりません。また、保険料控除の申告では、自宅に保管してある保険料控除証明書を切り取ったり貼り付けたり計算したりする必要があります。そのため、社内では完結しないことを負担だと感じる人も多いでしょう。
従来の年末調整は、紙ベースで行われるため、管理や持ち運びが煩雑です。また、紙ベースにおける代表的なデメリットに、現物がなければ作業ができないという点が挙げられます。提出する意思はあっても、会社に置き忘れたり家で取り出し忘れたりしているうちに、提出期限を過ぎてしまうケースも少なくありません。
次に、経理担当者にとって、年末調整が大変だと感じる理由について説明します。
中小企業では、非生産部門であるバックオフィス業務を少人数で担っているため、日常業務を行いながら年末調整を進めることが難しいケースもあるでしょう。特に、経理を主とする複数の業務を1人で担う「1人経理」が常態化している企業では、時間外業務や他部門からの応援が必要になるなど、業務過多が問題となる可能性があります。
従業員への書類配布や回収、内容確認と検算、修正依頼、給与計算システムへの入力など、対応すべき業務は多岐にわたります。また、給与や納税額に関わるため正確性が求められるうえ、家族構成や控除内容などが異なり、従業員人数分の個別対応が必要です。
年末調整で扱う資料は多くの個人情報を含んでいるため、取扱いには気をつかいます。従業員1人あたり数枚の書類が必要で、保管や管理、処分の手間がかかる点も負担の一因です。
年末調整が大変な理由として、紙書類の多さと、それに伴う手作業の多さが挙げられます。それらが、煩雑さとヒューマンエラーを招いているといえるでしょう。
そこで、年末調整をDX化して「楽」に変えるための3ステップを紹介します。
多くの生命・損害保険会社、金融機関では、すでに控除証明書を電子データ化しています。年末調整にもそのデータを活用し、効率化を図りましょう。契約者による保険会社への声かけやネット上の手続きで容易に切り替えられることがほとんどです。
年末調整を含む給与計算や勤怠管理が行える会計システムを導入することで、大幅な業務効率化が図れます。このとき、これまで使ってきた給与計算ソフトなどとデータ連携ができるものを選ぶと、移行作業を簡単に済ませることが可能です。
年末調整の時期が来たら従業員各自が会計システムにログインし、年末調整専用フォームに必要事項を入力します。経理担当者も会計システムにログインして業務を行うため、次の年末調整はデジタル上で完結するというわけです。
この年末調整DXによって、次のような効果が期待できます。
専用フォームに基本情報が反映されるため、必要な項目のみを入力すれば完了します。どの情報を、どのように入力すれば良いのかもわかりやすく、従業員の心理的負担が軽減されます。
各社から受領したデジタル控除証明書から、情報の自動取得・計算が行われます。作業工数自体が大きく減り、転記ミスや計算ミスといったヒューマンエラーが消滅します。
時間や場所にかかわらず、自分のPCやスマホ、タブレット等によって作業できるため、従業員の作業負担を軽減します。
申告用紙や控除証明書等の紙資料が不要になり、持ち運びや管理にかかる手間がなくなります。テレワーク等にも対応しやすくなるでしょう。
年末調整DXが実現すると、次のようなメリットがあります。
控除証明書の管理や申告用紙の持ち運びが不要になり、いつでもどこからでも作業できることから、従業員の「大変」はほとんどなくなります。このことから、不備や提出遅延は減少するでしょう。
自動入力や自動集計により、紙資料の回収・入力作業がなくなります。また、従業員への源泉徴収票の作成・配布や給与への反映、税務署や市区町村への税務報告資料なども自動化されるため、大幅な工数削減がかなうでしょう。1人経理の「大変」が軽くなり、日常業務に注力できます。
多くの工程が自動化されるため、ヒューマンエラーの機会そのものが消滅します。また、税制改正や新制度施行などがあっても、システム運営によるアップデートが行われるため、常に適切な処理が行えます。このことから、アナログ作業よりも格段に正確性が向上するでしょう。
年末調整書類は、7年間の保管義務があります。個人情報のため厳重な管理が必要で、処分にも手間がかかります。デジタルデータならば、ファイリングや保管にかかるコストも手間も不要です。
ペーパーレス化のメリットについては、下記コラムでも詳しく紹介しています。今度こそ失敗しない。ペーパーレス化の課題と対策
年末調整DXに有効なシステムを導入するためには、コスト負担と資金繰りを考える必要があります。導入や維持にかかるコストは、導入後のコストダウン効果との相殺が見込めるものの、一時的な費用負担は避けられません。また、導入準備として、経理業務フローの見直しと最適化を図るための時間も必要です。さらに、新システムの導入に際して、従業員への説明や研修も欠かせません。
準備不足のまま導入すると、期待した効果が得られず後悔することになるでしょう。余裕のあるスケジュールで進めることで計画的な資金繰りが可能となり、システム導入の成功につながります。
年末調整をデジタル化するだけならば、国税庁が無料で提供する「年末調整控除申告書作成用ソフトウエア」でも一定の効果を得られるでしょう。しかし、年末調整にくわえて勤怠管理や給与計算を一元的に管理するシステムを導入することは、日常業務の工数削減にもつながります。
また、会計システムには、「年末調整・勤怠管理・給与計算」をすべて担うものから、それぞれに特化した単独のものまで、さまざまな種類が用意されています。貴社における会計システムの導入状況に応じて、必要なものを選ぶと良いでしょう。
弊社では、丁寧なヒアリングを行い貴社の状況にぴったりなシステムのご提案をさせていただきます。導入後のサポートも行っておりますので、不安や疑問を残しません。もちろん、導入に至るまでの業務フロー改善や社内研修等についても、対応可能です。
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