2026.03.27
電子帳簿保存法と紙の保管、どう共存すべき?対応のコツ解説
2022年の改正以降、ますます注目を集めている「電子帳簿保存法」。電子保存が義務化された背景には、国をあげてのDX推進やペーパーレス化の加速があります。しかし、これまで紙での保管を中心にしていた中小企…
2022年の改正以降、ますます注目を集めている「電子帳簿保存法」。電子保存が義務化された背景には、国をあげてのDX推進やペーパーレス化の加速があります。しかし、これまで紙での保管を中心にしていた中小企業にとっては、すぐに完全電子化するのは現実的に難しいケースも多く、紙の保管と電子保存をどう共存させるべきか悩んでいる経理担当者も多いのではないでしょうか。
この記事では、電子帳簿保存法と紙保管の違いを明確にし、両立のための実践的な対応方法や注意点、そして段階的に電子化を進めるためのコツをわかりやすく解説していきます。
本記事を読めば、「何を電子保存しなければいけないのか」「紙のまま保管して良いものは何か」「今やるべき対応は何か」が明確になります。
特に以下のような方には、ぜひ最後までお読みいただきたい内容です。
電子帳簿保存法に対応しなければと焦っている中小企業の経理担当者
紙と電子をどのように使い分けたらいいか分からない経営者
電子化の進め方に悩んでいる総務・経理責任者
電子帳簿保存法とは、国税関係帳簿や書類などを電子データとして保存することを認め、一定の要件のもとで原本の紙保管を不要とする制度です。最初の制度創設は1998年で、その後何度も改正が重ねられ、2022年の改正で「電子取引データの電子保存義務化」が盛り込まれたことで、多くの企業にとって他人事では済まされない状況となりました。
この法律により、「帳簿」「決算書類」「取引先との請求書や領収書(電子取引)」などのデータを、紙ではなく電子的に保存する必要が生じたのです。
紙の保管と電子保存では、以下のような点が大きく異なります。
保存方法の違い:紙での保存は物理的なファイリングが必要だが、電子保存ではファイル名のルールや検索機能、タイムスタンプなどが求められる。
保存コストとスペース:紙は物理スペースをとる一方で、電子はクラウド保管や社内サーバーなどで省スペース。
税務調査への対応:電子保存では即時検索ができ、調査対応がスムーズになる可能性が高い。
特に注意したいのが「電子取引データ」です。電子取引とは、請求書や領収書などをメール添付やクラウドサービスで受け取る形式のことで、これらは必ず電子データで保存しなければなりません。
保存が義務付けられているのは以下の3種類です:
電子帳簿等保存(会計ソフトなどで作成した帳簿や決算書など)
スキャナ保存(紙で受け取った書類をスキャナ等で電子化)
電子取引(メール・クラウドでやり取りされる請求書など)
ただし、帳簿や決算書類に関しては一定の条件を満たせば紙の保存も認められています。また、スキャナ保存においても、タイムスタンプや検索要件など、厳格なルールがあるため、すぐにすべてを電子化するのは現実的に困難な場合もあります。
はい、まだまだ紙での保管も必要です。以下のようなケースでは、引き続き紙保管が適しています。
高齢の取引先が紙でのやり取りを希望する場合
自社の電子化環境が整っていない場合
保存対象書類が少なく、紙保管の方が現実的に手間が少ない場合
つまり、「電子化しなければならないもの」「紙で保管して問題ないもの」を明確に切り分けることが、対応の第一歩になります。
まずは、自社で扱っている帳簿・書類をすべてリストアップしましょう。
取引先との請求書は紙?PDF?
自社で作成している帳簿は会計ソフト?手書き?
決算書類や契約書の保管方法は?
これにより、「どの書類を電子保存しなければならないか」「現状は紙で保管されているが、電子化できる余地があるか」が可視化できます。
電子帳簿保存法に基づく保存要件を満たすためには、次のような技術的・運用的対応が必要です。
検索機能(取引年月日・金額・取引先など)
タイムスタンプ付与
改ざん防止措置(ログの記録、訂正履歴の保持など)
閲覧環境の整備
対応の手間を減らすには、電子帳簿保存法に対応したクラウド型会計ソフトの導入が有効です。
一気に完全電子化を目指すと失敗しがちです。たとえば、
電子取引(メールで届いた請求書など)の保存からスタート
次にスキャナ保存の割合を徐々に増やしていく
最終的に帳簿も電子化へ
という流れで段階的に導入すると、社内の混乱やミスを最小限に抑えられます。
電子と紙が混在する時期こそ、明確な運用ルールが必要です。
「電子取引は○○フォルダに即保存」「紙で受け取った書類は○○日以内にスキャン」などの明文化
スキャン後の原本の廃棄ルール(廃棄前にダブルチェックを義務付ける等)
バックアップ体制の整備(クラウドとローカルの二重保存)
社内の混乱を避けるためにも、誰が・いつ・どう保存するのかを可視化しておくことが重要です。
中小企業で実際に起きた事例を見てみましょう。
問題点:電子データで保存しなければならないのに、紙で保管していたため法令違反。
対応策:会計ソフトやファイル共有システムを活用して、PDFなどのデータをそのまま保存・分類できる体制を構築。
問題点:スキャナ保存には一定の要件(解像度、階調、日付入力、タイムスタンプなど)があるが、満たしていなかった。
対応策:専用のスキャナアプリやOCR機能付きソフトを導入し、読み取り時点で自動的に必要項目が記録されるように設定。
電子帳簿保存法への対応は、「すべてを電子にすべき」というものではありません。現実的には、紙と電子を併用しながら、段階的に電子化を進めていくことが理想的です。
まずは、「電子保存が義務となるもの」「紙での保管が許容されるもの」の区別を明確にし、自社の業務フローに合わせた運用ルールを整備することが大切です。
電子帳簿保存法対応は、企業の成長とガバナンス強化にもつながります。電子化対応の進め方や自社に合ったソフト選びにお困りでしたら、ぜひ一度ご相談ください。
弊社では、無料相談・オンライン相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。


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