2026.03.17
副業OK時代の経理処理:扶養、源泉徴収、保険料の考え方
副業OK時代の経理処理:扶養、源泉徴収、保険料の考え方 中小企業の経営者・経理担当者の皆さま、こんにちは。 「社員が副業しているけど、扶養ってどうなるの?」 「副業分の源泉徴収や保険料の扱いって…
中小企業の経営者・経理担当者の皆さま、こんにちは。
「社員が副業しているけど、扶養ってどうなるの?」
「副業分の源泉徴収や保険料の扱いって、どっちがやるの?」
こういった疑問が近年ますます増えてきました。
政府が推進する「働き方改革」や「副業・兼業の促進」によって、副業を容認・推奨する企業が増えています。厚生労働省も「モデル就業規則」にて副業を認める方針を明示しています。
その一方で、副業をする社員がいる場合、経理部門には扶養の確認や税務・社会保険の手続きなど、対応すべき事務が複雑化します。
この記事では、副業が一般化する時代における経理実務上の重要ポイントを、「扶養」「源泉徴収」「保険料」の3つの観点から具体的に解説していきます。
この記事を読むとわかること:
社員の副業に初めて対応する中小企業の経営者・経理担当者は、ぜひ最後までご覧ください。
副業とは、本業以外で報酬を得る仕事全般を指します。形態はさまざまで、以下のような働き方が含まれます。
副業があると、所得や保険料の計算に影響が出るケースが多く、企業側の処理ミスが後々のトラブルにつながることもあります。
副業と扶養の関係を正しく理解するためには、まず「所得税上の扶養」と「健康保険上の扶養」の違いを整理する必要があります。
まず知っておきたいのは、「扶養」には2種類あるということです。
| 種類 | 管轄 | 主な影響 |
|---|---|---|
| 所得税上の扶養 | 税務署 | 扶養控除(年末調整・確定申告) |
| 健康保険上の扶養 | 健保組合・協会けんぽ | 保険料の支払義務の有無 |
配偶者や子供などを扶養親族とし、満額の所得控除を扶養者が受けるためには、令和7年度においては、配偶者の場合は年間所得が95万円以下(給与収入160万円以下)、大学生年代の子供の場合は年間所得が85万円以下(給与収入150万円以下)である必要があります。バイトなど副業で得た所得がこれを超えると、扶養から外れます。なお、令和8年度以降は金額の改正が予定されています。
例:
配偶者がバイトなどで年間95万円の利益(経費差引後)を得た場合、所得税上の扶養から外れ、扶養控除が使えなくなります。
健康保険の扶養認定では、「年間収入130万円未満(かつ被保険者の収入の1/2未満)」が一般的な条件です。ただし、正社員として勤務する場合や週30時間以上の労働がある場合は、強制的に社会保険の加入対象になるため、扶養には入れません。
よって、扶養者本人が副業をしていることで扶養控除の金額に影響はありませんが、被扶養者である配偶者や子供が一定以上の収入のバイトをすることで扶養から外れることは、副業時代でも気にしなければなりません。
副業がある社員の税務処理では、主たる給与と従たる給与の区分を正しく理解することが重要です。
社員が副業をしていても、本業の会社が「主たる給与支払者」となり、年末調整を行う必要があります。
副業先の会社は、「従たる給与」として扱い、年末調整は行いません。
副業先では、以下が基本の流れとなります。
副業がある場合は、税務だけでなく社会保険や雇用保険の取り扱いも整理しておく必要があります。
社員が複数の会社で働いていても、原則として「主たる勤務先1社」でのみ健康保険・厚生年金に加入します。
以下の条件に該当する会社が、主たる勤務先とみなされるケースが多いです。
経理としては、副業先での就労状況を把握しづらいため、社員本人との連携が必須です。
2022年10月より、「複数事業所勤務者の雇用保険加入」が制度化されました。
条件:
この場合、「マルチジョブホルダー制度」によって、雇用保険に2社合算で加入可能となります。
ただし、実務が複雑なため、ハローワーク・社会保険労務士との連携が不可欠です。
副業による所得は住民税にも影響するため、経理担当者は徴収方法の違いを理解しておく必要があります。
副業で得た所得がある場合、住民税の申告時に「自分で納付(普通徴収)」とすることで、会社に知られずに済む場合があります。
ただし、社員本人が確定申告時に「特別徴収(給与天引き)」を選択してしまうと、本業の会社に副業分の住民税額が通知されてしまうことがあります。
経理担当者としては、社員のプライバシー尊重と住民税額の整合性確認が必要です。
副業を認める企業では、経理処理だけでなく、社内ルールの整備も欠かせません。
副業を許可する場合は、就業規則に以下の内容を盛り込むことが望まれます。
経理部門では、申告内容に基づいて、税務・保険・住民税などの対応を漏れなく行える体制整備が重要です。
副業が当たり前となった今、経理部門は以下のような実務対応が求められます。
対応を誤ると、税務署や年金機構からの指導やペナルティが発生するリスクもあります。
副業時代の経理処理は「知らなかった」では済まされません。
副業時代に備えた就業規則の整備、給与計算の二重管理、社会保険の対応などでお困りの際は、当事務所へご相談ください。
労務・税務の両面から、御社の実務負担を軽減できるサポートを行っております。
無料のご相談・オンライン対応も可能です。副業対応でのトラブルを未然に防ぐためにも、ぜひ一度ご相談ください。


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