2026.01.30
副業時代に経営者が知っておくべき税務知識と「副業300万円問題」の最新動向
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リース会計基準の改正は、2027年から適用されます。義務化の対象は主に上場企業・大企業ですが、中小企業にとっても無関係とは言い切れません。金融機関や主要取引先とのやり取りでは、「新基準を前提とした財務説明」を求められる可能性があるためです。
しかしながら、「必須ではない制度対応」にどこまで時間やコストをかけるべきか判断が難しく、頭を抱える中小企業経営者も多いでしょう。本コラムでは、中小企業が押さえておきたいリース会計改正のポイントを整理し、自社にとって準備が必要かを判断する優先度の目安、経理負担を増やさずに備える方法を解説します。
<目次>
リース会計基準の改正が実施される時期は、2027年4月1日以後に開始する事業年度の期首からです。ただし、2025年度開始時点からの早期適用も認められているため、すでに対応を始めた企業もあります。
なお、今回の新リース会計基準は「企業会計基準(ASBJ基準)」に基づくもので、適用義務があるのは主に上場企業や大企業です。中小企業は、従来どおり「中小企業会計指針」や「中小企業会計要領」などの中小企業向けに簡便化された会計ルールを使用でき、企業会計基準の適用は任意となります。このため、新リース会計基準も中小企業には義務化されていません。
ただし、取引先や金融機関から新基準に沿った財務諸表の作成や説明を求められる場面が出てくる可能性があります。まずは、全体像を把握しておくことが重要です。
今回の改正は、国際会計基準との整合性を高め、財務諸表の透明性を向上させることを目的としています。
そもそもリース会計は、資産の利用や負債の発生を正しく財務諸表に反映し、企業の財務状況を適切に示すための仕組みです。しかし、従来の基準では、実質的に資産を利用し負債が発生しているにもかかわらず、貸借対照表に計上されないリース取引が存在していました。
新リース会計基準では、こうした状況を je是正するため、リース契約を原則として資産・負債として計上する方式に統一されます。
中小企業は原則として強制適用の対象外ですが、実務面では一定の影響が考えられます。例えば、融資審査での財務説明や、親会社・主要取引先とのやり取りでは、新基準を前提とした資料の提出や説明を求められるケースが想定されます。
自社がどの程度の準備を必要とするか判断するために、対応の優先度を整理することが重要です。
優先度が高いケース:親会社が上場企業である場合や、IPO(新規株式公開)準備中の企業、金融機関からの融資依存度が高い企業は、早めの対応が必要です。リース負債の有無は財務指標に影響するため、信用評価の観点から説明できる体制が重要になります。
優先度が低いケース:外部から詳細な財務説明を求められる場面が少ない企業では、現時点で本格的な対応を急ぐ必要はありません。特に、リース契約の件数が少ない企業や、金融機関との取引が安定している企業では、改正の影響は限定的です。
ただし、まったく準備しないままでいると、将来的に取引先から説明を求められて対応に困る可能性があります。まずは「リース契約の一覧を作るだけ」でも十分な備えになるでしょう。契約内容を把握しておくことで、必要になったときの説明準備がスムーズに進みます。
今回の改正では、従来の「ファイナンスリース」と「オペレーティングリース」という区分が見直され、リース契約を原則として貸借対照表に計上することが求められます。中小企業にとっては、これまで費用処理だけで済ませていたリースも「資産」と「負債」として扱う点が大きな変化です。
ここでは、従来の処理との違いと、新しいオンバランス処理の考え方を整理します。
従来の基準では、リースは大きく「ファイナンスリース」と「オペレーティングリース」に分かれていました。
ファイナンスリースは、資産の所有に伴うリスクや経済的な価値のほとんどが借り手側に移転する契約です。「売買取引に準じた会計処理」が適用されるため、購入した場合と同じように資産計上と減価償却を行います。
一方、オペレーティングリースは、「賃貸借取引に準じた会計処理」です。リース料を支払うたびに費用として処理するだけで済み、貸借対照表に資産や負債として計上する必要はありません。中小企業では、手続きが簡単で経理負担も少ないことから、オペレーティングリースを選択するケースが多く見られました。
新しいリース会計基準では、原則としてすべてのリースについて「使用権資産」と「リース負債」を貸借対照表に計上することになります。使用権資産はリース期間中にその資産を使う権利を、リース負債は将来支払うリース料の義務を表します。
このように、リース契約を貸借対照表に反映させる処理が「オンバランス処理」です。オンバランス処理になることで、損益計算書の扱いも変わります。これまでリース料として一括で費用処理していたものを、「使用権資産の減価償却費」「リース負債に対応する利息費用」の2つに分けて計上しなくてはなりません。
短期契約・少額契約に適用できる例外規定:12か月以内の短期リースや金額が小さい少額リースについては、一定の条件を満たせば、従来どおりリース料をそのまま費用として処理できます。ただしこの例外ルールを使うかどうかは、原資産や勘定科目ごとに「会計方針」として選択し、一度選んだら継続して適用する必要があります。
リース改正への備えは、制度対応そのものよりも、金融機関や取引先に対して「自社の契約状況をきちんと説明できる状態」を整えることが目的になります。そのための方法は1つではなく、社内で対応するのか、クラウド会計を活用するのか、経理代行に任せるのかによって準備の進め方が変わるでしょう。
外部の専門家や経理DXを使わず自社だけで対応する場合、リース契約の管理から仕訳処理、金融機関への説明までを、すべて社内で完結させる必要があります。そうした場合の準備項目は、次の3つです。
リース契約台帳を整備して情報を可視化:すべてのリース契約について、契約期間・金額・更新条件などを一覧化します。エクセル管理でも対応できますが、入力ミスや更新漏れリスクがあるため、定期的な見直しが欠かせません。
仕訳・税務調整を正確に行う:オンバランス処理に伴い、使用権資産の減価償却費やリース負債の利息費用を計算する必要があります。会計と税務で取り扱いが異なる部分は、税務申告での調整も不可欠です。
信用評価への説明責任:オンバランス処理により総資産や負債が増え、財務指標が変動します。金融機関や取引先から数字の変化を問われた際に、基準変更によるもので実態が悪化したわけではないことを説明できるよう、契約台帳や計算根拠を整理しておくことが重要です。
クラウド会計を活用すれば、契約管理や仕訳処理を自動化できます。経理業務全体を効率化させながら、中小企業に多い1人経理における属人化リスクを防ぐ方法としても有効です。
リース契約情報の一元管理:クラウド会計では、リース契約台帳をシステム上で一元管理できます。契約期間・更新時期・残存期間などが自動で可視化され、更新漏れや担当者依存のリスクも軽減します。
減価償却と利息計算の自動化:クラウド会計では、使用権資産の減価償却費やリース負債の利息費用を自動計算できます。毎月の仕訳も自動作成されるため、作業負担を大きく減らせるだけでなく、手作業によるヒューマンエラーの防止にもつながります。
経理アウトソーシングは、外部の専門家に制度対応を任せる方法です。委託する業務や量を調整できるため、社内の負担やコストを抑えながら活用できます。
新基準に沿った仕訳ルールの設計サポート:アウトソーシング業者は、専門知識や豊富なノウハウを持つ会計の専門家です。判断が難しい部分を任せられるため、法令を遵守した会計処理体制が整います。
金融機関対応の資料作成サポート:融資審査や監査で必要となる説明資料を作成してもらえるため、経営者や経理担当者の負担を大きく軽減できます。財務指標の変化についても、専門家が根拠を整理してくれるため、スムーズに説明できるでしょう。
リース会計基準の改正は、中小企業にとって必須対応ではありません。しかし、金融機関や取引先との関係を考えると、最低限の備えをしておくことは大きな安心につながります。
まずは自社の状況に応じて優先度を見極め、必要な範囲だけ対応することが現実的です。社内で対応する方法もありますが、経理リソースが限られている企業では、クラウド会計や経理アウトソーシングを活用し、負担を増やさずに制度変更へ備えると良いでしょう。
特にアウトソーシングは、新基準に沿った仕訳設計や金融機関向け資料の作成まで任せられるため、経営者が本業に集中できる体制づくりに役立ちます。
弊社では、丁寧なヒアリングにより貴社の状況を分析し、必要な対応や準備の進め方についてご提案いたします。アウトソーシングはもちろん、クラウドツール導入サポートも行っておりますので、リース会計基準の改正についてどう対応すべきか迷った場合は、無料相談サービスを通じて気軽にご相談ください。
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