2025.05.21
経理効率化の次の一手!アウトソーシングとクラウド連携で業務改善
クラウド会計を導入しても残る「手作業」の壁 クラウド会計ツールを導入する企業は年々増加しています。しかし、導入後も業務全体の効率化には至らず、手作業が多く残っているケースが少なくありません。 特に…
企業のバックオフィス業務は、経営の基盤でもある重要な業務です。しかし、中小企業では、利益に直結しない管理業務にリソースを割くことができず、経営者の兼務を含む「1人経理」が常態化しています。
このような1人経理は、業務過多による負担増や属人化といった企業リスク因子の1つです。放置しておくと知らないうちに経理業務の効率性を低下させ、企業の安定性にまで悪影響を及ぼす可能性があります。
会社の経営を自動車の運転に見立てると、資金状況は「燃料計」のようなものです。もしも、燃料計を確認せずに運転を続ければ、どこかでガス欠を起こすリスクが高まります。目的地に到達できないどころか、事故につながることもあるでしょう。
同様に、会社経営において目標へ向かって走り続けるには、適切な資金管理が欠かせません。資金の流れを正確に把握することで、「燃料切れ」つまり「資金ショート」のリスクを回避し、健全な経営を維持できるのです。
経理業務とは、会社の経済活動を記録し、財務状況を明らかにする重要な業務です。具体的には、日々の入出金管理や帳簿の作成、領収書や請求書の発行、さらには決算業務など多岐にわたります。経営判断を行うためには、経理担当者が提供する正確かつタイムリーな財務データが欠かせません。
このような特徴から、経理業務には精密さと迅速さが重要です。しかし、1人経理の常態化は、業務過多や属人化を招き、以下のリスクを高める要因となっています。
特定の社員に依存した体制は、担当者の不在時に業務が停滞しやすく、突発的な対応が難しいものです。このような属人化がボトルネックとなり、企業全体の業務効率を低下させるリスクが高まります。
内部不正は、「機会・動機・正当化」の3要素が揃うことで発生しやすいと言われています。属人化による権限の集中やチェック体制の不足は、不正の「機会」を生み出すでしょう。また、業務過多による精神的負担や会社への不満は「動機」や「正当化」を助長します。
業務の属人化は、フローのブラックボックス化を引き起こします。そうなると、担当者の急な退職や休職は、業務停止に直結するでしょう。企業の資金管理が困難になることで、掛取引の不履行による信頼関係の失墜や資金ショートといった経営上の重大なリスクが生じかねません。
1人経理のうち、経理担当者が経営者自身であるというケースは、さらに次のようなデメリットも考える必要があります。
経理業務に時間を割いた分、コア業務にかける時間が減少することは避けられません。結果として、経理業務にリスクが生じるだけでなく、生産性や営業効率の低下を招く可能性があります。こうした状況は、経営の質を低下させ、企業成長を妨げる要因となるでしょう。
経営者が1人経理を兼務する理由の1つに、コスト削減が挙げられます。しかし、経営者が生み出す価値は、経理業務の雇用コストと比べて、はるかに高い収益性を持っています。本当にコスト削減になっているかどうか、費用対効果で考えることが重要です。
経営者の価値については、下記コラムでも詳しく述べています。
経営者の経理兼務はコスト削減になるのか?見落としてはならない「社長の価値」
中小企業における経理業務の課題を効果的に解決するためには、クラウドツールの導入が有効です。単なる作業負担の軽減にとどまらず、経営の透明性向上や迅速な経営判断にも役立ちます。
クラウドツールの導入は、成長を目指す中小企業にとって大きな武器となるでしょう。
ここからは、クラウドツールの導入によって得られる具体的な効果を、5つのポイントに絞って解説します。
仕訳記帳は、企業の財務データのベースとなる重要な業務です。クラウドツールでは、銀行口座やクレジットカードの取引データを自動取得し、あらかじめ設定した勘定科目に自動仕訳します。仕訳記帳を自動化することは、担当者の工数を大幅に削減できるほか、記帳漏れや転記ミスといったヒューマンエラーリスク低減にも効果的です。
掛取引業務の自動化により、請求書・領収書の発行や金融機関データ照合が効率化します。インボイス制度(2023年10月)や電子帳簿保存法の「電子取引データ保存の義務化」(2024年1月)への対応で書類のデジタル化が進み、ペーパーレス化とコスト削減につながるでしょう。また、自動アップデート機能が、法改正への柔軟な対応を可能にします。
クラウドツールを導入することで、スマートフォンの領収書読み取りや交通系ICカード・法人カードの利用データ取得が自動化されます。これにより、小口現金管理を廃止でき、支出管理の透明性が向上するでしょう。さらに、経費精算申請や承認フローの簡略化が業務効率化を促し、社員のストレスを軽減する効果も期待できます。
クラウドツールによる勤怠管理のデジタル化で、従業員の出退勤記録取得から勤怠管理、給与支払までの一連のプロセスを自動化することができます。これにより、タイムカードの集計や有給管理、税金の計算業務を効率化することが可能です。勤怠管理の正確性向上と給与への正確な反映により、従業員の信頼獲得にも寄与します。
財務データの一元管理で企業の財務状況をリアルタイムで把握できるようになり、迅速な経営判断に貢献します。また、いつでもどこからでもデータにアクセスできるため、資金調達や営業機会の適切なタイミングを逃しません。
クラウドツールの導入効果を最大化するためには、自社に合った機能やサービスを選ぶことが大切です。そのためには、次に挙げる注意点を押さえておくことが、成功へのカギとなります。
まず、自社の課題を明らかにすることが重要です。解決すべき問題が不明確では、クラウドツールの導入効果を最大化することはできません。
自社の業務フローを可視化し、現場の声を聞きながら、属人化や多重管理、ボトルネックなどの課題を洗い出しましょう。その際、リスクや導入効果の視点から優先順位をつけることで、検討がスムーズになります。
次に、クラウドツールの導入目的を明確化します。業務負担の軽減、不正防止、コストダウンといった「何を、どのように改善したいのか」を整理することで、必要なサービスや機能を適切に選定できるでしょう。
クラウドツールは、「多機能であれば良い」わけではありません。多機能なツールはコストが高く、操作が複雑で現場で使いこなせないリスクがあります。自社に必要な機能を見極めることが成功のカギです。
クラウドツールは、初期設定が重要です。運用前に必要なデータ移行や新規登録、既存システムとの連携などの準備を整えましょう。
専門チームを組むリソースのない中小企業では、プロの導入サポートを利用することをおすすめします。また、操作方法の研修やアフターフォローも委託すると、混乱やトラブルが起こったときも安心です。
クラウドツール導入サポートを依頼する際は、企業の財務情報など、極めて機密性の高い情報を扱うことになります。また、スムーズなシステム運用には、自社の方針やニーズに即した設定が不可欠です。
そのため、サポート業者を選ぶ際は、以下のポイントを押さえ、信頼できるパートナーを見極めましょう。
経営者がビジネスの成長に集中するためには、経理業務の効率化が不可欠です。また、正確性の高い財務データをリアルタイムで把握できる環境を整えることは、迅速な経営判断にも役立つでしょう。これらを実現するためには、クラウドツールの導入が欠かせません。
クラウドツールを導入する際は、プロの導入サポートを受けることをおすすめします。
弊社では、丁寧なヒアリングによって貴社の状況を客観視し、必要なDX方法をご提案いたします。
また、貴社の業務フロー最適化から課題提示と効果的な対策の提案、目的に合うツールの選定、導入支援からアフターフォローまで一貫して行うことも可能です。
まずは、無料相談を通じて、貴社に最適なDXプランを考えてみませんか。
オンライン相談も承っておりますので、お気軽にご連絡ください。
経理体制の
ヒアリング(無料)
貴社の課題解決の
ためのご提案
ご契約
貴社の業務フローの
改善サポートの開始
経理代行業務の
開始