2025.11.21
この支出は経費で落ちる?判断基準と例外まとめ
事業主や中小企業の経理担当者であれば、一度は「この支出は経費で落ちるのか?」という悩みに直面したことがあるのではないでしょうか。とくに新たな支出やグレーゾーンの支出については判断が難しく、税務調査の際…
事業主や中小企業の経理担当者であれば、一度は「この支出は経費で落ちるのか?」という悩みに直面したことがあるのではないでしょうか。とくに新たな支出やグレーゾーンの支出については判断が難しく、税務調査の際に否認されてしまうリスクもあるため、慎重に判断する必要があります。
この記事では、経費として認められる支出の判断基準を明確に解説し、よくある経費の具体例や例外ケースについても網羅的に紹介します。また、経費計上における注意点や、税務リスクを回避するための実践的な対策についても触れています。
この記事を読むことで、経費に対する理解が深まり、日々の処理に自信を持てるようになります。「これは経費にしていいのか?」と迷う経営者や経理担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
経費で落とせるかどうかは、**税法上の「必要経費」または「損金」**に該当するかどうかが判断の軸となります。
所得税法や法人税法では、以下のように定義されています。
所得税法第37条(必要経費):事業所得を得るために直接必要な支出
法人税法第22条(損金):その事業年度の収益との関連において認められる支出
つまり、「業務に関連していること」「売上や利益に結びついていること」が重要なポイントです。
事業に関連している支出であること
例:打合せで使った飲食費、営業活動に必要な交通費など
私的支出と明確に区別されていること
例:自宅兼事務所の家賃は、事業用面積のみを按分計上
証拠書類(領収書など)が残っていること
例:レシート、請求書、契約書、振込履歴など
実務でよく質問を受ける「この支出は経費になりますか?」という例をカテゴリ別に紹介し、どのように判断するかを解説します。
会議費:1人あたり10,000円以下で、社内外の打ち合わせや情報交換を目的とする飲食費
接待交際費:取引先との関係維持や営業活動の一環で使われる接待や贈答費用
注意点: 接待交際費には年間800万円までの損金算入限度(中小企業の場合)があるため、分類の間違いに注意が必要です。
公共交通機関の利用料、出張時の宿泊費、タクシー代は基本的に経費計上可能
自家用車の利用時は「走行記録」や「ガソリン代の按分」が必要
NG例: プライベート旅行の費用を出張に見せかけるのは明確な税務否認対象です。
事業用と私用の使用割合を明確にし、事業用部分のみ経費にする
家族共有のスマートフォン代を全額計上するのは避けるべき
中小企業や個人事業主で特に多い、グレーゾーン支出の扱い方について、税務上の見解と対処法を解説します。
配偶者や家族との外食費は、基本的に私的支出とされるため経費にできません。ただし、役員が業務命令で家族を同伴する必要がある場合や、家族が正式な従業員である場合には一部例外もあります。
業務に関連する書籍・セミナー・資格取得は経費に計上可能
趣味や教養目的と見なされると否認される可能性が高い
具体例: 「簿記3級講座」は経理担当者なら問題ないが、「書道教室」は業務に直結しない限りNG。
スーツや化粧品などは、業務と無関係とは言えなくても「私的利用が前提」とされがち
医療費・健康診断費も、業務と直接関連がない限りは経費にできない
例外: 撮影・舞台など衣装代が業務に不可欠な場合には、例外的に経費として認められることもあります。
業務との関連性が説明できるか?
第三者に「この支出は何のためか?」と問われたとき、明確に説明できる内容であるかを確認します。
記録や証拠がそろっているか?
領収書だけでなく、メール・議事録・行動記録などを残すと説得力が高まります。
継続性・合理性があるか?
毎月一定の金額で繰り返し発生している支出は、継続的な業務とみなされやすいです。
経費として扱える支出の中には、特例や税制改正により取り扱いが変化するものもあります。
少額減価償却資産の特例
30万円未満の資産は一括償却が可能(年間300万円まで)
交際費の特例
年間800万円まで全額損金算入可(資本金1億円以下の法人に限る)
例:インボイス制度導入により、帳簿と適格請求書の保存が経費計上の前提条件になりました。
注意点: 消費税の仕入税額控除が受けられなくなる場合もあるため、制度変更には敏感になる必要があります。
経費として計上できるかどうかは、「業務との関連性」「私的支出との明確な線引き」「証拠書類の整備」が大原則です。グレーゾーンの支出についても、しっかりとした説明・記録・合理性があれば経費にできる可能性があります。
ただし、税務調査で否認されるリスクがある支出については、事前に専門家へ相談することが安全策です。
弊社では、中小企業の経費処理に関する相談を無料で承っております。経費判断に迷った際には、ぜひお気軽にお問い合わせください。


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