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コラム

2025.11.14
賞与にかかる社会保険と税金、知らないと損する処理の基本

賞与にかかる社会保険と税金、知らないと損する処理の基本

企業の皆さま、こんにちは。
毎年、夏や冬に支給される賞与(ボーナス)は、社員のモチベーションを高める大きな手段です。しかし、賞与を支給する際には社会保険料や税金の処理が通常の給与とは異なるため、正しく理解していないと余計なコストやトラブルを招く恐れがあります。

「賞与にも社会保険料ってかかるの?」「税金の計算って給与と同じ?」「処理を間違えたらどうなる?」と不安に感じている中小企業の経営者や経理担当者も多いのではないでしょうか。

この記事では、賞与にかかる社会保険や税金の基本的な仕組みから、損をしないための具体的な処理方法までをわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、以下のような疑問が解消できます:

  • 賞与にかかる社会保険料や税金の計算方法
  • 賞与支給時の事務処理の注意点
  • 節税や手取り額最大化に向けたポイント

賞与を正しく処理して、社員にも会社にもメリットを生みたい中小企業の経営者・経理担当者の方は、ぜひ最後までお読みください。

賞与にも社会保険と税金がかかるって本当?

賞与にもかかる社会保険料と税金

賞与(ボーナス)にも、給与と同様に社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)や所得税がかかります。

よくある誤解として、「賞与は臨時収入だから保険料がかからない」と思われがちですが、これは間違いです。

賞与は国の制度上、「報酬」として扱われるため、通常の給与と同様に課税対象になります。つまり、税金や保険料の処理を怠ると、あとから追徴やペナルティを受けるリスクがあるのです。

【社会保険】賞与にかかる保険料の計算方法とは?

健康保険・厚生年金保険は「標準賞与額」で計算される

賞与に対する健康保険・厚生年金の保険料は、「標準賞与額 × 保険料率」で計算します。

標準賞与額とは?
実際の賞与支給額をベースにしますが、1回あたり150万円が上限とされています。例えば、200万円の賞与を支給しても、150万円を上限として保険料を計算します。

保険料の計算例(東京都・協会けんぽ加入企業の場合)

  • 支給賞与:80万円
  • 標準賞与額:80万円
  • 健康保険料率:10.00%(例)
  • 厚生年金保険料率:18.30%(例)

健康保険料:80万円 × 10.00% = 80,000円
厚生年金保険料:80万円 × 18.30% = 146,400円(※労使折半)

このうち半分は会社負担、半分は本人負担となります。

雇用保険料は賞与にもかかる

雇用保険も賞与に対して課されます。料率は年度ごとに変動しますが、令和6年度は以下の通り(一般の事業の場合)です。

  • 雇用保険料率:1.35%(事業主0.85%/労働者0.5%)

賞与にかかる雇用保険料も、給与と同様に源泉徴収し、納付が必要です。

【税金】賞与の源泉徴収の仕組みと計算のポイント

賞与の所得税は「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で決まる

給与と異なり、賞与の所得税は以下の2ステップで計算されます。

  1. 前月の社会保険控除後の給与をもとに、算出率を決定
    (国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使用)
  2. 算出率 × 賞与の金額 = 源泉所得税額

例)
扶養家族の数が1人で、前月給与が30万円の場合、算出率は約3.06%。
→ 80万円の賞与 × 3.06% = 24,480円

※注意:住民税は原則として賞与からは引かれず、毎月均等に天引きされます。

社会保険と税金の処理でよくある間違いとは?

  • ケース1:標準賞与額の上限(150万円)を無視して過大に計算
    → 社会保険料を過大に計算してしまい、会社・本人双方に損失が発生
  • ケース2:扶養控除等申告書が未提出の社員の税率を誤って適用
    → 本来は「乙欄」で源泉徴収すべきところを「甲欄」で処理し、税務署から指摘を受けるリスク
  • ケース3:処理が遅れ、納付期限を超えて加算税や延滞税が発生
    → 社会保険料や所得税の納付期限は厳格。過ぎると罰則あり

賞与処理で損しないための実務ポイント

ポイント①:必ず「賞与支払届」を5日以内に提出

賞与支給後、5日以内に「賞与支払届」を年金事務所または電子申請で提出する必要があります。これを忘れると、社会保険料が未納となり、事後的な手続きが煩雑になります。

ポイント②:税率の確認と年末調整との整合性をとる

賞与の源泉税は概算です。年末調整時に過不足が調整されますが、賞与を複数回支給する企業は累積額を意識した源泉徴収が重要になります。

ポイント③:システムで自動計算されても、必ず目視チェック

給与計算ソフトやクラウド会計を導入している企業でも、設定ミスや更新漏れがあると誤った処理がされます。支給前に必ず人の目で確認しましょう。

手取り額を最大化するための賞与の工夫

工夫①:支給タイミングの分散で社会保険料の負担軽減

社会保険料は月単位での支給額に対してかかるため、例えば「6月と7月に分割支給」することで月ごとの保険料負担を抑えることが可能です(上限に達している場合)。

工夫②:非課税手当や福利厚生制度とのバランスを考える

現金の賞与ではなく、非課税となる手当(通勤手当、出張旅費等)を活用する、福利厚生としての支援に切り替えることで、社員の手取り額を維持しつつ会社側のコストも抑えられます。

まとめ

賞与の支給に際しては、社会保険料や税金の正確な処理が非常に重要です。給与と同様の感覚で処理してしまうと、誤徴収や未納などのリスクが発生し、会社と社員双方に損失をもたらしかねません。

しかし、ポイントを押さえて適切に処理することで、余計なコストを抑え、社員満足度の向上にもつなげることが可能です。

特に中小企業では、経理担当者が少人数で業務を担っていることが多いため、ミスを防ぐためにも、給与・賞与処理のマニュアル化やクラウドシステムの活用も効果的です。

賞与処理に不安がある方へ

弊社では、賞与の支給・計算・社会保険対応を含めた給与計算アウトソーシングにも対応しています。
複雑な税務・労務処理も、経験豊富なスタッフがサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事を担当した税理士
株式会社YMG コンサルティングラボ 酒井 康至
保有資格公認会計士・税理士
専門分野法人税・消費税・国際税務
経歴大学卒業後、上場企業の専門商社(鉄鋼系・食品系)の経理部員として約15年の経験。内海外駐在3年半。
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