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コラム

2025.12.16
会議費・交際費・福利厚生費の使い分け、迷わず処理できる方法

「この飲食代、会議費で処理していいの?それとも交際費?」
「社員旅行は福利厚生費?でも業者との打ち上げなら交際費?」

経費精算において、勘定科目の使い分けで迷うことは、経理担当者なら一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

特に「会議費」「交際費」「福利厚生費」は、内容が似通っており線引きが難しい費目の代表格です。

しかし、処理を間違えると税務上のペナルティや損失に繋がる可能性もあるため、正確な判断が求められます。

本記事では、以下の内容を分かりやすく解説します:

  • 会議費・交際費・福利厚生費の違いと定義
  • 実務で迷いやすいケース別の判断基準
  • 科目選定に迷わないためのチェックポイント
  • 税務調査で指摘されないためのポイント

経理実務において迷いなく処理を進めたい中小企業の経理担当者や、社内ルールを整備したい経営者の方は、ぜひ最後までご覧ください。

そもそも「会議費」「交際費」「福利厚生費」とは?

まずは、それぞれの定義と税務上の取り扱いを理解しておきましょう。

会議費とは

  • 社内外を問わず、業務上の会議・打ち合わせのためにかかった費用
  • 飲食代も、軽度かつ社交目的でなければ会議費として処理可能
  • 税務上、交際費と異なり損金算入の制限がないため、節税の観点でも有利

例:
・社外取引先との打ち合わせ時のカフェ代(1人1,000円程度)
・社内会議時の弁当代
・会議用の茶菓子・水・軽食費用

交際費とは

  • 取引先や仕入先との関係を円滑にする目的で支出される費用
  • 飲食接待・贈答・ゴルフ・慶弔費などが該当
  • 中小企業(資本金1億円以下)は、定められた限度額まで損金算入可(年間800万円まで)

例:
・得意先との飲み会・懇親会
・お中元・お歳暮・記念品
・慶弔見舞金・香典・祝儀

福利厚生費とは

  • 社員全員(または一定範囲の社員)を対象に、福利向上を目的として支出される費用
  • 社内行事、健康診断、慰安旅行などが該当
  • 全額損金算入可能で、税務上の制限がないため有利だが、「全社員対象」が大前提

例:
・社員旅行費用
・社内レクリエーション(忘年会など)
・社員向けの飲み物・軽食、誕生日プレゼント

実務で迷いやすいケース別の判断と処理方法

以下に、実際の経費処理で「どの費目にするべきか?」と迷いやすいシーンを7つ挙げ、それぞれの判断基準を明示します。

ケース①:取引先との打ち合わせでカフェを利用(1人あたり800円)

判断: 会議費
理由: 業務上の打ち合わせ目的であり、1人あたり10,000円以下の飲食代であれば、会議費として処理可能です。

ケース②:取引先との懇親会(居酒屋にて飲酒・食事)

判断: 交際費
理由: 業務外の懇親・接待を目的としているため、交際費として計上が妥当です。社外者が1人でもいれば交際費扱いが基本です。

ケース③:全社員参加の忘年会(費用:10万円)

判断: 福利厚生費
理由:「全社員対象」「社内行事」「一般的な費用範囲」であれば福利厚生費として処理可能。

ケース④:部長だけの慰労会(3名)

判断: 交際費または給与扱いの可能性も
理由: 少人数で役職者のみの場合、「福利厚生の共通性」が認められず交際費扱いが妥当。役員賞与や給与扱いとなる可能性もあります。

ケース⑤:社員旅行を実施(1泊2日)

判断: 福利厚生費
条件: 以下3点を満たすこと
・全社員または一定範囲の社員が対象
・旅行期間が4泊5日以内
・費用が社会通念上相当であること

ケース⑥:社内会議での弁当代(1,200円×10人分)

判断: 会議費
理由: 社内会議用の飲食費は、原則として会議費に該当します。会議記録や議事録があると税務調査時に有効です。

ケース⑦:取引先への手土産(3,000円)

判断: 交際費
理由: 贈答目的の支出は、金額の大小にかかわらず原則「交際費」となります。

会議費・交際費・福利厚生費の見分け方:チェックリスト

どの勘定科目に該当するか迷ったら、以下のチェックポイントを使えば、分類ミスを防げます。

判定項目 会議費 交際費 福利厚生費
対象者 社内外問わず 主に社外 社内限定
目的 業務上の打ち合わせ 関係維持・接待 従業員の福祉向上
飲食の有無 軽度な飲食(目安5,000円以下) 会食・接待・贈答 行事やレク目的の飲食
支出範囲 常識的な範囲 比較的高額でも可 常識の範囲であれば可
損金算入 制限なし 年800万円まで(中小企業) 制限なし

税務調査で指摘されないための実務対策

1. 支出目的・対象者・金額を必ず記録する

「誰と」「どこで」「何の目的で」使ったのかを摘要欄に明記しましょう。
例:「〇〇株式会社 田中様との打合せ/渋谷カフェにて」

2. 領収書や証拠資料は確実に保管

  • インボイス制度対応の領収書を保管
  • 会議費・福利厚生費の場合は、議事録や出席者名簿があるとベスト

3. 経費精算書に「費目の選択肢」を明記

精算時に選択式にすることで、申請者が迷いにくくなり、分類ミスを事前に防止できます。

4. 明確な社内ルールを作成・周知する

費目分類ルールや判断基準をまとめた「経費精算マニュアル」を社内で作成・共有しましょう。
例:「会議費として認めるのは、1人あたり10,000円以下の飲食のみ」といった明文化が効果的です。

まとめ

「会議費」「交際費」「福利厚生費」の使い分けは、実務的な判断が求められる分野ですが、

  • 誰を対象にした支出か?(社内 or 社外)
  • 何の目的で使われたのか?(業務上 or 慰労 or 接待)
  • 支出金額は常識的な範囲か?

このように、費目の分類は目的と対象者の「組み合わせ」で判断することがポイントです。
分類を誤ると、損金不算入・税務否認・ペナルティの対象となる恐れもあるため、慎重に対応しましょう。

弊社では、経費精算のルール整備や、費目分類に関する研修・相談対応を行っております。
「今の処理が正しいのか不安」「税務署に指摘されないか心配」などありましたら、お気軽にご相談ください。

この記事を担当した税理士
株式会社YMG コンサルティングラボ 部長代理 興梠 貴裕
保有資格弥生インストラクター資格 / 日商簿記3級
専門分野IT
経歴業務系システム業界に身を置いて12年目。様々な業種のお客様のシステム導入に関する多くの相談実績が有り 導入実績も多数。常にお客様目線で対応し、お客様の課題解決に全力で取り組む姿勢に定評有。
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