2024.11.21
経営者の経理兼務はコスト削減になるのか?見落としてはならない「社長の価値」
経営者が兼務する経理業務とは 少子化の進行によって、わが国の生産年齢人口(15~64歳)は減少を続けています。それを補っていた高齢者の就業者数も近年では減少に転じていることから、人材不足の問題はより…
中小企業と一口に言っても、その企業規模はさまざまです。中小企業基本法では、業種ごとに定義された資本金額(または出資総額)と従業員数のどちらかに該当すれば「中小企業」だとしています。つまり、資本金額が基準以下ならば、従業員数は1名でも150名でも、同じように中小企業と呼ばれるのです。
企業規模が違えば組織構造が異なり、従業員各々の役割と責任も違うでしょう。しかし、企業規模の大小に関わらず、経営者が達成すべき課題は同じです。中小企業の経営者は、常に、次の3つの課題に立ち向かうことを求められています。
企業を運営するためには、商品やサービスを販売し、収益を得なくてはなりません。そのためには、新商品開発や品質改善を繰り返し、広報活動や営業活動を行って新規顧客の獲得や既存顧客の満足度向上を目指し続ける必要があります。
利益を上げるためには、生産性を上げることも重要です。同じ売上高でもかかる費用が少なければ、利益率が上がります。そのためには、仕入れ価格の見直しのほか、業務効率化や経費削減に努めるなど、コストを抑える工夫が必要です。
企業の成長過程では、資金調達が必要なタイミングもあるでしょう。最適な機会を逃さないためには、日頃から適切な財務管理を行い、事業計画の立案や収益予測などしておくことが大切です。また、金融機関に借入を申し込むためには、正確な財務資料の作成と信用力の獲得も大切な要素となります。
3つの課題を遂行するためには、適正な経理業務が必要不可欠です。経理業務は会社を出入りするお金の流れを正確に管理するという重要な役割を持っています。中でも、課題達成の鍵を握る業務は以下の通りです。
売上管理は、日々の売上を記録、集計する業務です。商品やサービスごとの単価や数量を記録し、週・月・年ごとの集計を行い、売上目標の達成率を測ります。また、前月や前年、あるいは一定条件下における売上を比較し、多角的な分析を行います。現状を把握し、次に取り組む課題を見つけるためにも、必要不可欠な業務です。
開発・生産、営業・販売といったプロジェクトを進めるために必要な予算を設定し、予算内で実行するための調整と記録を行います。無謀な予算案では、適切な管理が行えません。適切な分析に基づいた予算計画の立案、効果的なコスト管理を行い、利益率向上を目指します。
キャッシュフローとは、会社のお金の動きを図表化し、視覚化したものです。現在の経営状況の把握や将来の資金計画策定には欠かせません。正確なキャッシュフロー管理には、日々の記帳業務を適正に行うことが大切です。
経理部門は「数字を写すだけの簡単な業務」と誤解されやすく、未経験者が担ったり、バックオフィス業務全般と兼業したりするケースが多いでしょう。しかし、実は経理は専門性が高い業務です。適切な収益性分析やコスト分析、資金調達戦略の策定には、正確な記録が必要不可欠です。そのため、経理担当者は証憑類から必要な数字を読み取り、適切に仕訳し、正確に記帳し、最新の税法にも対応しなければなりません。
多くの中小企業では、経理業務を把握しているのは担当者のみという「1人経理」が常態化しています。しかし、1人経理は、仕訳や税法の処理が適切かどうか、正しい数字を管理できているかどうかを客観的に精査することができない危険な状態です。悪意がなくてもヒューマンエラーは生じます。担当者と同等の知識を持つ目によるダブルチェックが難しいならば、アウトソーシングを検討する好機ではないでしょうか。
経営者が直面する3つの課題を達成するためには、経理業務の効率化と透明化、そしてなによりも正確性の向上が重要です。しかしながら、新たな経理人材の育成や採用にかける余力はないという場合は、必要な分だけ専門家にアウトソーシングするというのも1つの有効手段です。部分委託によって効果が出やすい業務は、次のようなものが挙げられます。
融資に必要な財務診断や資金調達戦略の策定は、専門性の高い知識と高度な分析能力、さらに経験とノウハウが必要です。しかし、そのような人材は希少価値が高く、見合う給与も高額です。
そこで、必要なタイミングで外部の専門家に頼る方法がおすすめです。知識と実績を備えた専門家が、客観的な視点から公正な評価を行い、市場分析やリスク管理も踏まえた適切な対策を講じてくれるでしょう。
キャッシュフロー作成には、簿記などの専門知識が必要です。社内に対応できる人材がいない場合は、アウトソーシングして専門家に任せましょう。
キャッシュフローは、融資の申込時に金融機関に提出するほか、上場企業の場合は財務状況の報告資料として株主に提示する重要な資料です。正確性に欠けると信用を損ないかねません。また、年次決算では税務署に申告書類として提出します。ミスや不備があると適正な納税が行えず、税務署の指摘や税務調査が入る可能性があるでしょう。
一般的に、企業間の取り引きは、掛け売りで行われます。掛け売りは、決済業務の効率化や取り引きの幅を拡大するために便利な方法ですが、取引先ごとに管理する手間がかかるうえ、遅延や貸倒れというリスクもあります。
売掛金(請求)管理、買掛金(支払)管理をアウトソーシングすると、期日に合わせた正確な振込・入金確認業務、記帳・入金消込、証憑の発行のほか、督促業務や与信管理まで代行してもらえます。取引先が多くて管理が煩雑な企業、これから取引先を拡大したいという企業には、特におすすめです。
自社に経理担当者がいない企業、経営者自身が経理業務を担っている企業などは、定型業務からアウトソーシングすることをおすすめします。定型業務をアウトソーシングする場合は、委託業者との連携が図りやすく、リアルタイムで現況確認ができるクラウド型会計ツールの導入が効果的です。
クラウド型会計ツールを導入すると、登録した金融機関やキャッシュカードを利用した入出金データを自動取得し、自動で仕訳記帳が完了します。データの自動集計はもちろん、月次・年次決算の資料も自動で作成されるため、業務効率化とヒューマンエラー防止に効果的です。また、各種データはクラウドサーバー上に保存されるため、いつでもどこからでも必要なタイミングで財務状況を確認できます。
経理業務のアウトソーシングを利用する際には、委託先に費用を支払う必要があります。コストダウンをしたいのに新たなコストが発生することに不安がある方もいるでしょう。しかし、経理業務のアウトソーシングには下記のような多くのメリットがあり、コスト以上の効果が期待できます。
経理業務のアウトソーシングの受託業者には、税理士や公認会計士といった経理部門の専門家、簿記資格や経理知識のあるスタッフが揃っています。知識と経験を持つスタッフが適切に処理し、業者内でダブルチェックが実施されるため、正確性が飛躍的に向上します。
財務状況・経営状態を正しく把握するために、情報が正確であることは大前提です。正確性向上によって、将来に向けた計画策定やコスト管理がしやすくなるでしょう。
中小企業に多い1人経理は属人化しやすく、内部不正の三大要素「機会(できる状況)・動機(お金が欲しいという欲求)・正当化(状況が悪いという言い訳)」のうち2つが揃うハイリスクな状況です。
アウトソーシングを導入して外部の目に触れ、社内でもデータ閲覧しやすい状況になれば、透明性が向上します。属人化は解消し、内部不正リスクもなくなるでしょう。
大規模なシステム導入や経理業務の丸ごと委託には、多額の費用がかかります。しかし、自社にとってアウトソーシングをすべき業務をピックアップして、優先度の高いものから部分的に委託する方法ならば、予算コントロールが可能です。
取り組みやすい部分から始めて、効果が実感できるようになってから次の手段を講じるといった委託計画も含めて専門家に相談すると安心です。
経理業務のアウトソーシングは、経理業務の業務効率化を実現します。また、業務委託や自動化・省人化、ペーパーレス化などによる経費の大幅削減が期待できます。さらに、工数が減った分余力が生まれ、リソースの再配分も可能になるでしょう。
経理部門以外の視点では、経理情報の一元管理化により、生産部門や営業部門もリアルタイムで最新データを活用でき、営業機会の損失も防げます。結果的に、企業全体のコストダウンと業績アップが見込め、アウトソーシング費用以上の恩恵を受けることとなるでしょう。
中小企業経営者が直面する3つの課題の達成には、経理業務のアウトソーシングが効果的です。
何から始めればよいのかわからないという場合でも、「どういったことで困っているのか、どのような結果を求めているのか」について、プロに相談することで貴社に合った方法がわかるようになるでしょう。
弊社では、丁寧なヒアリングを行い、貴社の環境に最適なご提案・サポートをさせていただきます。
クラウド型会計ツールの選定、導入サポート、運用のフォローなども行っておりますので、安心してお任せください。
無料相談、オンラインでの面談も承ります!
まずはお気軽にご連絡ください!
経理体制の
ヒアリング(無料)
貴社の課題解決の
ためのご提案
ご契約
貴社の業務フローの
改善サポートの開始
経理代行業務の
開始