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コラム

2024.05.23
【失敗しない業務効率化】「ムリ・ムダ・ムラ」のリスクを徹底排除

業務効率化で「ムリ・ムダ・ムラ」を排除

オフィスには「社内の当たり前」に流されて見えない「ムリ・ムダ・ムラ」が溢れています。少し視点を変えてみると、次のような排除すべきポイントが見つかるはずです。

想定時間内に回らない仕事は「ムリ」

まず、注目すべきポイントは「業務量」と「作業時間」のバランスです。状況によっては納期に間に合わせるために、時間外労働が生じることもあるでしょう。しかし、就業時間内に終わらないことが恒常化しているのなら、それは「ムリ」な仕事です。

残業前提の業務量が社内の当たり前なら、業務内容を見直す必要があります。時間外労働や休日出勤の他にも、就業時間内に終わらせるために他部門から人手を借りる業務などがあれば、「ムリ」な仕事として洗い出しておきましょう。まずは、「ムリ」に気づくことが重要です。

「ムダ」を無くすと余裕が生まれる

「ムリ」のない業務内容にするには、「ムダ」のない作業工程で業務を進める必要があります。排除できるムダの1つに「時間がかかる手作業」が挙げられます。
たとえば、会議資料をPCで作成しアナログ配布する場合、「(1)印刷の手間、(2)用紙代やインク代、(3)配布のタイムラグ」という3つのムダが生じます。PCで作成した資料をPDFで配信すれば、これらのムダは、簡単に解決します。さらに、会議までに議題を把握し検討する余裕まで生まれるでしょう。

企業にとって「ムラ」は死活問題

「ムリ」と「ムダ」の多い業務内容は、単純に工数が多く従業員を疲弊させます。時間的にも精神的にも余裕のない状況が続くと、作業効率や質の低下を招くでしょう。

社内資料の作成ミス程度ならば挽回可能です。しかし、社外と関わる業務に遅滞やミスが生じたり、品質が不安定だったりすると、会社の評判や信頼関係にも直結します。ムラを見逃すことは、企業の死活問題にまで発展するおそれがあるのです。

つまり、ムリがムラを生み、新たなムダを作り出す

ムリが多いと、作業効率が低下し品質の「ムラ」が発生します。ムラは、ミスの修正という新たな「ムダ」を生み出します。ムダが増えると、業務量も増え「ムリ」な労働環境につながるでしょう。

この悪循環を断ち切るためには、業務フローの見直しをすることが必要です。自社にとっての課題を把握し、適切な対策を取ることが「業務効率化」につながるでしょう。

業務効率化で「どうしたい」のかを思い描く

自社の課題を明らかにするには、業務ごとの「作業工程・作業時間・成果の質・担当部門と人数」を書き出し、現場の思いや状況を把握します。バックオフィス業務によくある「名前のない業務」も忘れずに書き出しましょう。

このとき「業務効率化で自社をどのように変えたいのか」を、具体的に思い描いておくことが大切です。たとえば、労働環境の改善、生産性向上、コストダウンなど、いくつあげてもかまいません。目的を意識することで、問題点を見つけやすくなるでしょう。

「ムダ」はなくす

細かい業務まで書き出すと、具体的な「ムダ」を見つけやすくなります。たとえば、同じデータについて各部門が独自に作表すること、部門や資料ごとに管理ルールが異なること、資産状況を確認するたびに担当部門に連絡しなければならないことも、ムダの1つです。このケースでは、インターネット環境さえあればリアルタムで情報の閲覧や共有ができるクラウド型の一元管理システムを導入することで、すべて解決します。

「ムリ」はしない、させない

日程終盤で恒常的に時間外労働が生じたり、他部門の手を借りたりするような業務は、「ムリ」な仕事です。設定したスケジュールだと納期に間に合わないないのであれば、従業員にムリをさせるのではなく、業務の見直しを行います。業務内容を選別し、排除や統合、DX化できるものを見極めましょう。経理のように煩雑なうえ専門性が高い業務は、専門家へのアウトソーシングも検討するとよいでしょう。従業員の再配置を行う際は、新たなムリを生まないような配慮が必要です。

「ムラ」の原因を取り除く

成果に「ムラ」ができる原因は、次の2つが考えられます。1つ目は、担当者が業務を兼業するなど多忙で、作業が片手間になっていることです。2つ目は、業務の専門性が高く、担当者の技量では対応が難しいことが挙げられます。前者のケースは、ムダの排除やDX化、再配置などで担当者の負担を軽減できるでしょう。後者は、専門家への業務委託が妥当です。そうして、ムダとムリを片付けていけば、ムラの原因も次第に減っていきます。

優先度を決めて実行するのがカギ

課題を解決するためには、リソースや時間、コストが必要です。すべての解決策を同時に実行することは難しいため、優先度を設定しておきましょう。

このときに重要なポイントは、課題のうち効果の大きいものは何かを見極めておくことです。たとえば、アナログ作業のデジタル化や業務委託は、一気に業務量を減らす効果があります。人員疲弊の解消に有効な手段ですが、それなりにコストもかかるでしょう。

真っ先に解決すべき課題は何か、経営者だけでなく社内の意見をまとめておくことも必要です。

業務効率化の先にあるメリット

業務効率化はあくまでも「手段」で、目指すゴールではありません。実行の先にあるメリットを意識して取り組みましょう。

では、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

メリット1:費用対効果の向上

業務効率化の効果がわかりやすいのは、コストダウンです。コストの中で最も大きいのは人件費ですが、「ムダな作業」にも「コア業務」にも同じように人件費がかかることを忘れてはいけません。ムダな作業をなくせば、その分費用対効果が高まります。

また、ペーパーレス化による経費削減も、1つ1つは小さくともトータルでは大きな効果を得られるでしょう。

メリット2:時間対効果の向上

「ムダ」の排除でもう1つわかりやすいものが、時間対効果です。1つの成果を得るための工程削減、重複排除、自動化などが行われることにより、作業の効率性が大きく向上します。これにより、トータルの作業時間が減り、時間外労働も少なくなるでしょう。

メリット3:モチベーションアップ、生産性の向上

ムリやムダをなくすことで、社内リソースをより生産性の高いコア業務に投入しやすくなります。その分、業績アップも期待できるでしょう。また、件数や金額など、成果をわかりやすく数値化できるコア業務は、従業員のモチベーションも上がりやすい傾向にあります。それがまた生産性の向上につながり、好循環を生み出す可能性もあるでしょう。

メリット4:エンゲージメントアップ、定着率の向上

ムリな業務配分の消滅で、労働環境の改善が見込めます1人経理のように属人化しがちな業務を標準化することで、担当者個人の負担が軽減し休暇も取りやすくなるでしょう。ワークライフバランスの実現と働きやすさの実感は、従業員のエンゲージメント向上につながり、定着率の向上も期待できます。

エンゲージメントの高い従業員が所属しているということは、新規採用の際も有利に働くでしょう。

メリット5:業績アップ、企業の成長へ

ムダやムリのない労働環境で、モチベーションの高い従業員が効率的に働く企業では、当然業績向上が見込めます。ムラがなく安定した成果を出すことで、取引先企業や顧客の信頼度も高まります。このことが従業員の定着率や新規採用に好影響を与え、企業成長に貢献するでしょう。業務効率化には初期投資や維持コストがかかりますが、その効果の高さを考えると「ムダ」な投資ではありません。

まとめ

業務効率化を実現する手段は、「従業員の増員・DX化・アウトソーシング」の3つに大別できます。企業の規模や業態、それぞれが抱える課題によって最適な手段が違います。

自社の業務から「ムリ・ムダ・ムラ」を洗い出し課題が明らかになったなら、一度プロに相談することをおすすめします。専門家の目を通すことで、自社にとって最適な業務効率化について助言が得られるでしょう。
自社に合った業務効率化を行うことは、成功の絶対条件です。

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この記事を担当した税理士
株式会社YMG コンサルティングラボ 部長代理 興梠 貴裕
保有資格弥生インストラクター資格 / 日商簿記3級
専門分野IT
経歴業務系システム業界に身を置いて12年目。様々な業種のお客様のシステム導入に関する多くの相談実績が有り 導入実績も多数。常にお客様目線で対応し、お客様の課題解決に全力で取り組む姿勢に定評有。
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