2024.11.21
経営者の経理兼務はコスト削減になるのか?見落としてはならない「社長の価値」
経営者が兼務する経理業務とは 少子化の進行によって、わが国の生産年齢人口(15~64歳)は減少を続けています。それを補っていた高齢者の就業者数も近年では減少に転じていることから、人材不足の問題はより…
2024年2月14日、日本商工会議所と東京商工会議所は連名により「中小企業の人手不足、賃金・最低賃金に関する調査(https://www.jcci.or.jp/20240214_survey_release.pdf)」の集計結果を公表しました。この調査は、2024年1月4日から26日にかけて、全国47都道府県の中小企業2,988社(回答企業数)を対象に実施されたものを同所がまとめたものです。その集計結果を確認します。
人手が「不足している」と回答した企業数
・不足している:65.6%
・過不足はない:32.0%
・過剰である:2.0%
このアンケートは毎年実施されており、人手が「不足している」と答えた企業の割合が、2022年には60.7%、2023年には64.3%、今年が65.6%と年々増加しています。
不足していると答えた企業の割合を業種別に見ると、2024年問題への対応が求められる建設業(78.9%)、運輸業(77.3%)が高く、労働集約型の介護・看護業(76.9%)が続きます。最も低い製造業(57.8%)でも、過半数が「不足している」と回答しており、あらゆる業種で人手不足だということがわかります。
人手不足への対応方法
・採用活動の強化(非正規社員含む):81.1%
・事業のスリム化、無駄の排除、外注の活用:39.1%
・女性・高齢者・外国人材など多様な人材の活躍推進:37.3%
・従業員の能力開発:34.6%
・デジタル・機械・ロボットの活用:26.6%
・労働時間・残業時間の増加:18.9%
・多用で柔軟な働き方の導入(テレワーク、副業・兼業など):14.3%
・過剰品質・過剰サービスの見直し:10.7%
8割を超える企業が、人手不足への対応方法として「採用活動の強化(非正規社員含む)」を挙げています。しかし、そもそもの生産人口が減少している現状では、採用以外の対策を講じる必要があるでしょう。また、人材関連では4番目に「従業員の能力開発」とありますが、育成の成果が出るまでには時間がかかるという難点があります。
次いで関心を集めた「事業のスリム化、無駄の排除、外注の活用」「女性・高齢者・外国人材など多様な人材の活躍推進」、さらにその他の対応策を、速やかに実現する方法が、DXの導入です。
DXとは、デジタル技術によって業務効率化を図り、ビジネスモデルに変革をもたらし企業成長を目指す取組です。「人手不足への対応方法」として提示された下記の項目について、DXがどのように有効かを解説します。
事業のスリム化やムダの排除は、DXが最も得意とする分野です。中小企業にDXを推進する場合には、会社全体の業務フローを見直し、「ムダ」や「ムリ」業務を洗い出します。社内で扱う情報をクラウド型ツールで一元化すると、データや作業の重複、情報確認のタイムラグといったムダの排除が可能です。また、人数・工数・技術的にムリが生じやすい業務は、外注を検討するとよいでしょう。ムダとムリをなくすことで工程が最適化され、事業のスリム化が実現します。
育児や家族の介護などの都合で働く時間に制限がある人、加齢やケガ、病気など何らかの事情で毎日の通勤が難しい人でも、リモートワークならば雇用できる可能性が高まります。クラウド型ツールを活用すると、作業や資料の共有もツール上で完結可能です。また、DXによって業務を標準化しておくことで、未経験者や言葉や慣習の異なる外国人材も受け入れやすくなります。
DXによって業務効率化が進むと従業員の時間に余裕が生まれ、新たなスキルや知識の習得するチャンスが生まれます。そうなると、習得したスキルによって業務効率化がさらに進んだり、新規事業へと発展したりするかもしれません。また、能力開発の機会を得た従業員のモチベーションアップなども期待できるでしょう。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して業務プロセスを改善し、生産性向上を目指すことです。デジタル技術によって業務の自動化や省力化を実施することで、人手不足の解消だけでなくヒューマンエラーのリスクも低減できるでしょう。例えば、飲食店で見られる配膳ロボットやタブレット注文システムなどが好例です。
業務遂行に必要な人員が足りないのなら、労働時間を増やすという考え方もあります。しかし、働き方改革により、残業や時間外労働を簡単に増やすわけにはいかなくなりました。そこで、DXによる業務効率化や自動化が効果を発揮します。自動化によって必要な工数が減れば少ない人数でも業務遂行が可能になるでしょう。また、煩雑な単純作業を自動化できれば、人的リソースをコア業務に注力できるため生産性の向上も期待できます。
DXによりクラウド型ツールを導入すれば、働く場所や時間に融通が利くようになります。また、会議や共同作業といった、従来なら一堂に会する必要があった業務も、オンライン上で実施可能です。これにより、テレワークや時短勤務など、ライフスタイルを大切にする働き方が拡大するでしょう。また、勤務先が許すのであれば、副業や兼業との両立もしやすくなります。
DXの一環としてWebマーケティング分析ツールを活用すると、市場における自社ブランドの評価や認知度を客観的に把握できます。顧客の関心度を分析すれば顧客ニーズと過剰品質な部分を見分けることができ、最適な見直しが行えるでしょう。顧客満足度の向上や業績アップにも期待できます。
2023年度の都道府県最低賃金は、全国平均で1,004円(時給)となり、前年度の961円から43円アップと過去最大の引き上げ幅を記録しました。同年10月より順次適用が始まっていますが、企業の負担は約7,000円(従業員1人あたり月換算)となることから、中小企業に与える影響が大きいことが予想されます。
同調査による、最低賃金引き上げについての反応は以下の通りです。
・最低賃金を下回ったため、賃金を引上げた:38.4%
・最低賃金を上回っていたが、賃金を引上げた:企業は29.8%
・最低賃金を上回っていたので、賃金の引き上げは行っていない:31.4%
また、現在の最低賃金について
・大いに負担になっている:20.5%
・多少は負担になっている:45.2%
・負担になっていない:30.4%
2023年10月の最低賃金引き上げを受けて、「最低賃金を下回ったため、賃金を引上げた」と回答した企業や約4割でした。一方、人手不足や物価上昇が進む中、約3割の企業が「最低賃金を上回っていたが、賃金を引上げた」と回答しています。
また、現在の最低賃金の負担感については、「(大いに・多少は)負担になっている」と回答した企業が6割を超え、経営の厳しさをうかがわせます。
DXは、コストダウンにも役立ちます。例えば、ペーパーレス化が進めば、印刷費用に紙やファイルの購入費、保管場所にかかる経費などを削減可能です。帳簿類は保管期間が長く、処分時にも廃棄コストがかかるため、デジタル化による効果が現れやすいでしょう。また、社内回覧や会議資料もデジタル化することで、資料の配付・回収コストをなくせます。コストを下げることができれば、その分利益率は向上します。賃金の引き上げによる負担感も軽減するでしょう。
2023年度の都道府県最低賃金は、全国平均で1,004円(時給)となり、前年度の961円から43円アップと過去最大の引き上げ幅を記録しました。同年10月より順次適用が始まっていますが、企業の負担は約7,000円(従業員1人あたり月換算)となることから、中小企業に与える影響が大きいことが予想されます。
2023年の最低賃金引き上げの影響を受けた中小企業の割合
・最低賃金を下回ったため、賃金を引上げた:38.4%
・最低賃金を上回っていたが、賃金を引上げた:企業は29.8%
・最低賃金を上回っていたので、賃金の引き上げは行っていない:31.4%
また、現在の最低賃金について
・大いに負担になっている:20.5%
・多少は負担になっている:45.2%
・負担になっていない:30.4%
2023年10月の最低賃金引き上げを受けて、「最低賃金を下回ったため、賃金を引上げた」と回答した企業や約4割でした。一方、人手不足や物価上昇が進む中、約3割の企業が「最低賃金を上回っていたが、賃金を引上げた」と回答しています。
また、現在の最低賃金の負担感については、「(大いに・多少は)負担になっている」と回答した企業が6割を超え、経営の厳しさをうかがわせます。
DXは、コストダウンにも役立ちます。例えば、ペーパーレス化が進めば、印刷費用に紙やファイルの購入費、保管場所にかかる経費などを削減可能です。帳簿類は保管期間が長く、処分時にも廃棄コストがかかるため、デジタル化による効果が現れやすいでしょう。また、社内回覧や会議資料もデジタル化することで、資料の配付・回収コストをなくせます。コストを下げることができれば、その分利益率は向上します。賃金の引き上げによる負担感も軽減するでしょう。
ここまで、DX化による自動化やペーパーレス化、デジタル技術の導入がどのようなメリットをもたらすか紹介してきました。さらには、人材を確保する効果も得られるでしょう。
ここからは、人手不足の中でも人材を確保するコツについてお話します。
1つめのコツは、既存社員が辞めようと思わない企業になることです。DXによって業務効率化が進めば、リモートワークや時間外労働削減など働きやすい環境が整います。企業が従業員のライフワークバランスを大切にしていることが伝われば、エンゲージメントは向上し離職率が下がります。また、煩雑な単純業務の自動化でコア業務に専念できる環境は、やりがいも感じられるでしょう。仕事に対するモチベーションがあがり、さらなる生産性の向上といった好循環を生み出します。
もう1つのコツは、新規採用がしやすくなり求職者から見た「応募したい会社」になることです。既存社員が働き続けたいと思える環境は、求職者にとっても魅力的です。これからの企業発展に欠かせないIT人材、適正な財務管理を行うための経理人材を採用、あるいは育成をおこなうことで、企業の底力を強化することができるでしょう。
人手不足で業務が回らないという悩みに直面しているのなら、今がDX化を導入するタイミングです。
DXには導入費用が必要ですが、将来的にはコストを大きく上回るリターンを得ることができるでしょう。
弊社では丁寧なヒアリングにより、貴社の課題や目標に最適なDXプランをご提供いたします。
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