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コラム

2025.08.04
法人税と消費税の納付時期と計算の基本を押さえよう

企業経営に欠かせない税務知識の中でも、法人税と消費税は特に重要です。

納税のタイミングや計算方法を誤ると、追加課税やペナルティの対象になるだけでなく、資金繰りに悪影響を及ぼす可能性もあります。

この記事では、法人税と消費税の納付時期と計算の基本について、経理業務初心者にも分かりやすいように整理しました。

インボイス制度や中間納付の仕組み、クラウド会計ソフトの活用方法など、実務で役立つポイントも網羅しています。

この記事を読むことで、法人税・消費税の基礎的な仕組みから、納付期限の管理、注意点、ミス防止策まで一通り理解できます。

法人経営者、経理を担当している社員の方、社内で税務を内製化している企業担当者は、ぜひ最後までご覧ください。


法人税の納付時期と計算方法を丁寧に解説

法人税の納付期限は「事業年度終了日の翌日から2カ月以内」

法人税の納付は、「事業年度終了日から2カ月以内」に行う必要があります。

これは法人税申告書の提出期限と一致しており、申告・納税の両方をこの期限内に済ませなければなりません。

例えば、事業年度が4月1日から翌年3月31日までの会社であれば、納付期限は5月31日となります。

【補足:申告期限の延長制度】

「やむを得ない理由がある場合」や「決算確定が間に合わない場合」は、所轄税務署に**「申告期限の延長申請書」**を提出すれば、1カ月の延長が認められる場合があります。

この制度を活用することで、納税と申告を6月末まで延期できます。

ただし、延長が認められるのは「法人税の申告のみ」で、納税そのものの延長にはなりませんので注意が必要です。


中間納付が必要な場合もある

前事業年度の法人税額が10万円を超える法人は、事業年度の中間で中間納付を行う必要があります。

中間納付は、基本的に「予定納税方式」で、前年度法人税額の1/2を概算で納付します。

【中間納付の期限(3月決算の場合)】

納付対象 納付期限
中間納付 9月末まで
確定申告・納付 翌年5月末(または延長により6月末)

法人税の基本的な計算方法

法人税額の計算は、以下のようなステップで行います。

  1. 会計上の利益(税引前当期純利益)を算出

  2. 税務調整(加算・減算)を行い、「課税所得金額」を確定

  3. 課税所得金額に法人税率を乗じて計算

【税率の目安(資本金1億円以下の中小企業)】

所得区分 税率
年800万円以下 15%(特例適用)
年800万円超 23.2%

法人税のほか、「法人住民税」「地方法人税」「法人事業税」などの地方税も合算して納付するため、実質的な法人税等の合計負担率は約30%前後になるケースが一般的です。


消費税の納付時期と計算方法を正確に押さえよう

消費税は売上に応じて発生する間接税であり、顧客から預かった消費税と、自社で支払った消費税との差額を納付します。

消費税の納付期限も「事業年度終了後2カ月以内」

法人税と同様に、消費税の納付期限も「事業年度終了後2カ月以内」とされています。

よって、3月決算の企業は5月末が納付期限となります。


中間納付は納税額に応じて回数が異なる

前事業年度の消費税の納付額が一定基準を超えると、消費税にも中間納付義務が生じます。

【前年度の消費税額に応じた中間申告の回数】

前年度消費税額 中間納付回数
48万円以下 不要
48万円超~400万円以下 年1回
400万円超~4,800万円以下 年3回(4カ月ごと)
4,800万円超 年11回(毎月)

たとえば、前年度の消費税額が500万円の場合、年3回の中間申告・納付が必要です。


消費税の計算方法は「差額方式」が基本

消費税の納税額は、以下の数式で計算されます。

納付消費税額=預かった消費税 − 支払った消費税

【具体例】

  • 売上:1,100万円(税込) ⇒ 消費税額100万円

  • 仕入・経費:550万円(税込) ⇒ 消費税額50万円

納付額 = 100万円 − 50万円 = 50万円


インボイス制度に対応した記帳が必須

2023年10月に導入された「インボイス制度」により、仕入税額控除の要件が厳格化されました。

消費税の支払い分を控除するには、次の2点を満たす必要があります。

  • 適格請求書(インボイス)の保存

  • 帳簿への記載

登録事業者との取引であることが前提となるため、インボイス未登録の取引先との取引では仕入税額控除ができないケースもあります。

経理体制の見直しが求められる部分です。


実務でミスを防ぐための3つの対策

① 税務カレンダーの作成で納付スケジュールを可視化

法人税・消費税ともに「納付忘れ」は延滞税のリスクを高めます。

エクセルやGoogleカレンダーなどを活用して、納付スケジュールを一元管理することをおすすめします。

  • 中間納付の有無

  • 決算月ごとのタスク設定

  • 会計事務所との打ち合わせタイミング

このように、タスクを予めスケジュールに組み込むことで、抜け・漏れを防ぐことができます。


② クラウド会計ソフトの活用で計算ミスを防止

freee、マネーフォワード、弥生などのクラウド会計ソフトを活用することで、以下のようなメリットが得られます。

  • 自動仕訳により入力ミスを軽減

  • 消費税・法人税の概算額が即座に算出される

  • インボイス制度対応の請求書発行機能

  • 税理士とのデータ共有がスムーズ

とくに中小企業においては、クラウドソフトを導入することで「社内の会計力」を底上げできる可能性が高いです。


③ 顧問税理士との連携で税務対応を万全に

税務のプロである税理士と連携することで、申告・納付・税務調査対応のすべてを安心して任せることができます。

特に、以下のような局面では専門家のアドバイスが不可欠です。

  • 決算期の法人税・消費税の申告

  • 中間申告のタイミングと計算

  • 消費税の還付申告の判断

  • 税務調査への事前準備

顧問契約を結んでおけば、定期的に納税スケジュールのチェックをしてもらえるため、経営に集中する体制づくりが実現できます。


まとめ

法人税と消費税は、すべての法人企業に関わる基本的な税目でありながら、納付期限の管理や計算処理の手間がかかる領域です。

  • 法人税・消費税の納付期限は事業年度終了から2カ月以内

  • 中間納付制度があるため、年間スケジュールの把握が必須

  • 計算方法はそれぞれ異なるが、税率・控除・インボイス制度などが重要な要素

  • クラウド会計ソフトや税理士の活用でミスを防げる

税務処理の基本を押さえた上で、ミスのない税務運営体制を整えることが、経営の安定化につながります。

当事務所では、法人税・消費税の申告サポートから、インボイス制度対応、クラウド会計の導入支援まで幅広く対応しております。

「納税ミスが怖い」「社内に詳しい人がいない」「顧問税理士を探している」という経営者・担当者様は、ぜひ一度ご相談ください。

この記事を担当した税理士
株式会社YMG コンサルティングラボ 部長代理 興梠 貴裕
保有資格弥生インストラクター資格 / 日商簿記3級
専門分野IT
経歴業務系システム業界に身を置いて12年目。様々な業種のお客様のシステム導入に関する多くの相談実績が有り 導入実績も多数。常にお客様目線で対応し、お客様の課題解決に全力で取り組む姿勢に定評有。
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