2025.08.26
新入社員が入ったら最初にやる社会保険の手続きとは?
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企業経営では、売上や成長戦略が重視される一方で、経理業務における保守管理は見落とされがちです。しかし、保守管理が甘ければ、キャッシュフローの乱れや税務対応の遅れ、情報漏えいなど企業経営そのものに大きな影を落としかねません。
本記事では、経理業務の保守管理が果たす役割と、適正に運用するためのポイントについて詳しく解説します。
<目次>
経理の主業務である「記帳や決算」は、単なる数字の記録と集計ではありません。日々の取引結果から、企業の状態を正確に把握し、その先にあるリスクから企業を守る仕組みを構築することが、経理業務における保守管理の本質です。
健全な財務環境を維持するためには、下のポイントが重要となります。
毎日の取引記録を月単位で集計する「月次決算」は、経営判断における羅針盤のような存在です。その精度を高めるためには、取引内容を正確に仕訳・記帳し、売掛金や買掛金などを適切に処理することが欠かせません。
あわせて、こうした作業を速やかに行い、タイムリーな情報を提供できる体制の整備も重要です。そうすることで、経営者や営業部門からの情報提供依頼にスムーズに対応でき、的確な経営判断にも役立つでしょう。
近年、インボイス制度や働き方改革の施行、電子帳簿保存法の改正など、経理業務に関わる大きな改正が相次ぎました。さらに、税制改正は毎年のように行われているため、経理担当者は常にアンテナを張り、法令や制度の最新情報をキャッチし、柔軟に対応することが求められています。
税制に対する理解が浅ければ、適切な税務が行えず、思わぬ法令違反につながるおそれもあるでしょう。経理担当者の継続的な学びの姿勢と、社内全体への周知徹底を含むコンプライアンス体制の構築が、健全な経営の基盤となるのです。
人的リソースに限りのある中小企業では、経理部門をごく少人数で担当する「1人経理」が多く見られます。1人経理にはさまざまな課題がありますが、なかでも注意すべきデメリットが業務の属人化です。特定の担当者しか業務を把握していない状況では、担当者の急な退職や休職が経理機能の停止に直結するリスクとなります。また、担当者に業務が集中することで、慢性的な業務過多に陥るおそれもあるでしょう。
こうした属人化を防ぐためには、業務フローの標準化やマニュアル化が有効です。さらに、ダブルチェック体制を整備し、内部統制を強化することで内部不正リスクの抑止にもつながります。
属人化リスクについては、下記コラムでもくわしく紹介しています
https://keiri-outsourcing.com/column/column-6002/
「うちの経理は大丈夫」 突然退職する1人経理のリスク
経理で扱う情報には、企業の財務状況をはじめ、取引先に関する情報、従業員の個人情報や給与明細など、機密性の高いものが多く含まれます。万が一、これらのデータが消失・漏えいした場合は、金額的損失にとどまらず、企業の信頼やブランド価値の失墜にもつながりかねません。
こうしたリスクを最小限に抑えるためには、定期的なバックアップの実施や管理システムの編集権限の適切な管理に加え、マルウエアや不正アクセスに備えるサイバーセキュリティ対策も欠かせません。あわせて、セキュリティ意識を高める社員教育やルール整備など、組織全体で取り組む多面的な対策が求められます。
経理業務の効率化には、クラウド環境で運用する「クラウド型会計システム」の導入が効果的です。クラウド型会計システムの活用には、紙ベースのアナログ管理やローカル環境下でのPC管理といった従来の方法に比べ、保守管理の精度と効率を高めるさまざまな利点があります。
ここでは、クラウド管理がもたらす主な効果について、解説します。
クラウド型会計システムを導入することで、各拠点・各部署の財務情報をインターネット経由で一元管理し、リアルタイムで共有できるようになります。データの更新は即時に反映されるため、常に最新の情報を把握できるだけでなく、過去データの検索や分析もスムーズです。これにより、迅速な意思決定をサポートし、社員間の共通認識を形成するのにも役立ちます。
クラウド型会計システムでは、金融機関の取引履歴、法人カードの利用実績、店舗のPOSレジデータの取得から仕訳・記帳・集計までを自動化できます。また、取引先情報との連携により、売掛金・買掛金に関する処理や管理も効率化可能です。こうした定型業務の自動化は、経理担当者の業務負担を軽減し、ヒューマンエラーの抑制による経理データの精度向上にもつながります。
クラウド型会計システムで扱うデータはクラウド環境に自動保存・バックアップされるため、端末故障や災害などの影響を受けにくく、迅速に復旧可能です。また、システム提供事業者による高度なセキュリティ対策により、専門知識を持たない中小企業が独自に対策するよりも高い安全性を確保できるでしょう。ただし、外部認証や運営実績などを確認し、運営会社の信頼性を見極めることも重要です。
クラウド型会計システムは自動アップデート機能により、常に最新の法令や税制に準拠した処理が行えます。制度変更にともなう計算ルールや帳票様式の修正も自動反映されるため、適切なタイミングで速やかに対応を切り替え可能です。税務申告に必要な財務諸表も自動作成でき、適正な納税業務を支援します。
中小企業の経理業務は、「自社で担うか」「外部に委託するか」の選択が重要です。ここでは、クラウド型会計システムの導入を前提に、経理業務の保守管理を強化するという観点で両者を比較し、メリット・デメリットについて解説します。
経理業務を社内で完結させることで、情報管理がしやすく、柔軟な対応が可能です。ただし、属人化や担当者の業務負荷といった運営上のリスクは避けられません。
業務フローやルールを自社で柔軟にコントロールできる
情報が社内に集約されており、確認や修正が迅速に行える
機密情報を外部に出さず、内部管理で完結できる安心感がある
1人経理による属人化リスクが高くなりやすい
チェック体制が不十分な場合、ミスや不正が見過ごされるおそれがある
担当者の不在や退職によって、業務が滞りやすくなる
経理業務のアウトソーシングを請け負う業者には、税理士や公認会計士といった企業会計のプロが在籍していることが多く、高品質の支援が受けられます。一方で、コスト負担や情報共有に工夫が必要です。
専門資格を持つプロによる正確かつ効率的な業務対応が受けられる
クラウドシステムやDXツールなど最新技術を活用できる
担当者の退職による業務停滞リスクがなくなる
属人化の解消により、業務の透明性が増し、内部不正リスクが低減する
導入や運用に、一定のコストがかかる
業者との連携には、明確な指示と適切な情報共有が求められる
即時対応や臨機応変な対応に制約があるケースもある
自社の経理業務における保守管理が適切に行われているかどうかは、企業の健全性を左右する重要なポイントです。日々の業務を見直すために、以下のチェックリストを活用して、自社の管理状況を評価してみましょう。
【記帳業務】
毎月の記帳と確認を適切に行っているか?(はい・いいえ)
経費精算のルールが明確になっているか?(はい・いいえ)
【スケジュール管理】
記帳・振込・申告など各種スケジュールが明文化され、共有されているか?(はい・いいえ)
期日遅延が発生した際の対応フローが明確になっているか?(はい・いいえ)
【経理業務の可視化】
業務マニュアルや手順書が整備されているか?(はい・いいえ)
担当者以外でも業務内容を把握できるか?(はい・いいえ)
【税務・コンプライアンス】
税務申告の期限管理ができているか?(はい・いいえ)
最新の税制改正に対応しているか?(はい・いいえ)
【内部統制】
業務フローが標準化され、属人化を防げているか?(はい・いいえ)
ダブルチェック体制が機能しているか?(はい・いいえ)
【セキュリティ】
定期的なデータバックアップを実施しているか?(はい・いいえ)
アクセス権限が適切に管理されているか?(はい・いいえ)
【業務継続計画(BCP)対策】
災害時や担当者不在時に備えた業務継続フローがあるか?(はい・いいえ)
緊急時の連絡体制や外部との情報共有手段が整備されているか?(はい・いいえ)
経理業務の保守管理を徹底することで、企業の安定性と財務健全性を確保できます。
しかしながら、中小企業によってはリソースの不足により、すべての業務を自社でおこなうのは難しいところもあるでしょう。
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