2025.01.21
ワンストップ特例制度を忘れていても大丈夫!「ふるさと納税」の確定申告を楽に済ませる方法
ふるさと納税は、なにが「お得」なのか このような「お得」を享受するためには、寄付金控除の申請が必要不可欠です。その方法として、次の2つが挙げられます。 ワンストップ特例制度 ワンストップ特例制度…
中小企業経営者や正社員として働く従業員にとって、103万円の壁は直接関係ないと思われがちです。しかし、その扶養家族である配偶者や子どもがパートやアルバイトとして働いているケースもあるでしょう。その場合、103万円の壁を超えることで納税額の増加や扶養手当の減額されるため、世帯全体の収入減少につながる可能性があります。
103万円の壁は、扶養家族を養う人にとっても、重要な壁であるといえます。
個人の収入には所得税がかかります。しかし、収入の全額が課税対象となるわけではありません。所得税には、いくつかの控除が設定されています。給与や賃金、賞与などを得た場合に適用される控除は、すべての人が適用を受ける「基礎控除」と「給与所得控除」です。
この基礎控除額48万円と給与所得控除55万円を合計すると103万円となります。つまり、この金額までは所得税がかかりませんが、103万円の税の壁を超えると次のようなことが起こります。
1月1日から12月31日まで1年間の所得のうち、103万円を超過した部分に対して所得税が課されます。例えば、所得金額が104万円だった場合は、超過した1万円が課税対象となり、手取り収入は額面よりも少なくなります。
扶養配偶者の年間所得が103万円を超えると、所得税法上の控除対象配偶者から外れるため、配偶者控除が適用されなくなります。これにより、世帯主(納税者)の給与所得に対する控除額が減少し、所得税の負担が増加します。
「配偶者控除」が適用される控除対象配偶者の要件は次の通りです。
・納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下である
・納税者と法律上の婚姻関係にある(内縁関係は除外)
・納税者と生計を一にしている
・配偶者の年間の合計所得金額が48万円以下(給与収入のみの場合は103万円以下)である
・事業専従者として給与を受け取っていない
配偶者控除対象外となった場合、配偶者控除の金額分、納税者の所得税額が増えることになります。配偶者控除の額は、納税者本人の合計所得金額により以下の通り異なります。
納税者本人の合計所得金額 一般の控除対象配偶者
900万円以下 38万円
900万円超950万円以下 26万円
950万円超1,000万円以下 13万円
ただし、配偶者控除の対象から外れた人のうち一定の条件を満たす場合は、次に紹介する「配偶者特別控除」を受けられる可能性があります。
配偶者特別控除の適用要件は、以下の通りです。
・納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下である
・配偶者が次の条件をすべて満たすこと
イ) 法律上の婚姻関係がある(内縁関係は除外)
ロ) 納税者と生計を一にしている
ハ) 配偶者の年間合計所得金額が48万円超133万円以下である
ニ) 事業専従者として給与を受け取っていない
・配偶者が、配偶者特別控除を適用していない(夫婦間で互いに配偶者特別控除を受けることはできません)
・配偶者の所得が源泉徴収されていない
扶養親族控除もまた、扶養対象者の年間所得が103万円を超えると適用されなくなります。そのため、納税者の子どもがアルバイトをしている場合などに注意が必要です。
扶養親族とは、12月31日時点で以下の条件をすべて満たす人を指します。
・配偶者以外の親族(6親等内の血族、3親等内の姻族)、または里子
・納税者と生計を一にしている
・年間の所得が48万円以下(給与のみの場合は103万円以下)である
・事業専従者として給与を受けていないこと
このうち、扶養控除の対象者は、その年12月31日時点の年齢が16歳以上の人です。なお、扶養控除には納税者本人の所得制限はありません。
扶養控除額は、扶養親族の年齢や条件によって異なります。
区分 控除額
一般の控除対象扶養親族(16歳以上) 38万円
特定扶養親族(16歳以上23歳未満) 63万円
また、2023年の改正によって、非居住者(国内に住所を持たない人)については、以下の追加条件を満たす場合のみ扶養控除が適用されます。
・16歳以上30歳未満であること
・30歳以上70歳未満は以下の条件を満たすこと
イ) 留学により国外にいる人
ロ) 障害者である人
ハ) 納税者から、その年の生活費・教育費として38万円以上の支払いを受けている人
扶養家族という概念は、所得税法上の扶養控除だけでなく、社会保険にも存在します。社会保険の適用を受ける企業で働く「正社員・フルタイム労働者・フルタイム労働者の3/4以上稼働する労働者」には、社会保険に加入する義務があります。このうち、厚生年金保険と健康保険には扶養範囲が設けられており、対象家族は保険料の負担なく被保険者と同等のサービス・特典を受けられるのです。
ただし、次の2つの壁を超えた場合は、扶養範囲から外れなくてはなりません。
103万円の壁よりも影響が大きいとされるのが、106万円の壁です。この基準を超えると、勤務先の規模や労働条件によって、厚生年金保険や健康保険に加入する義務が生じます。具体的な条件は、下記の通りです。
年間所得が130万円を超えると、働き方や勤務先にかかわらず社会保険の扶養範囲から外れ、自分で社会保険に加入する必要が生じます。このときの働き方によって、勤務先の社会保険に加入するケースと、国民健康保険や国民年金に加入するケースがあります。いずれのケースでも、社会保険料として年間10~20万円以上の出費となるでしょう。
ここまでは、扶養家族を持つ会社員の視点で説明してきました。ここからは、短時間労働者を雇用する中小企業経営者としての視点で、収入の壁にかかる問題を解説しましょう。
税制における103万円の壁、社会保険制度における106万円・130万円の壁は、中小企業経営者にとっても次のような課題があります。
一部の従業員にとって、扶養から外れるほどの収入を目指すことがモチベーション上昇につながるでしょう。しかし、壁をわずかに超えた程度では手取りが減少する可能性があるため、結果としてモチベーションが低下するかもしれません。また、扶養範囲での勤務を希望している従業員にとっては、決して超えてはならない壁です。そのため、時間給で雇用している従業員それぞれの希望や状況を把握することが重要なポイントとなります。
従業員のモチベーションを維持するためには、年間を通して労働時間を管理することが必要です。収入の壁をうっかり超えてしまうようなことがないとわかれば、従業員は安心して働けます。現在の労働時間が明確になれば計画的に働けるようになり、事業所や店舗の運営にもプラスの効果をもたらすでしょう。特に壁を超えないようにするため、年末ギリギリになってからアルバイトやパートの稼働時間を慌てて調整することもなくなります。
クラウド型システムのうち勤怠管理に特化しているものは、タイムカードの連携、シフト機能、自動集計機能などを備えており、多様な働き方の従業員がいる場合に役立ちます。また、正社員の勤怠管理も一貫して行えるため、企業全体の勤怠管理から給与支払までの業務効率化も期待できます。また、システム導入によって、勤怠管理における煩雑な作業を自動化でき、1人経理の負担も大きく軽減可能です。
2024年は、政府が収入の壁や社会保険の問題に対する議論を活発化させており、今後さらなる法改正が予想されます。しかしながら、クラウド型システムは、こうした改正に応じて迅速かつ適切にアップデートが実施されます。そのため、企業の経理担当者が業務の合間を縫って独自で学ぶ必要はありません。複雑な法律の解釈や施行タイミングに悩むこともなくなるでしょう。
情勢が変動し、近い将来大幅な法改正が予定されているからこそ、今のうちにシステム導入することをおすすめします。
収入の壁は、従業員だけでなく中小企業経営者にとっても大きな課題です。
収入の壁を超えるかどうかは、従業員の働き方やモチベーション、そして経営における人員確保や勤怠管理に影響を与えます。
さらに今後法改正が施行された場合には、イレギュラーな対応が必要となるでしょう。
これらの対応策として、クラウド型勤怠管理システムの導入は有効です。
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