2024.11.21
経営者の経理兼務はコスト削減になるのか?見落としてはならない「社長の価値」
経営者が兼務する経理業務とは 少子化の進行によって、わが国の生産年齢人口(15~64歳)は減少を続けています。それを補っていた高齢者の就業者数も近年では減少に転じていることから、人材不足の問題はより…
ペーパーレス化とは、企業が業務にかかる紙の利用を減らしデジタル化を推進するための取り組みです。具体的には、業務プロセスのデジタル化や帳票類の電子化、文書や資料の電子発行などを指しています。削減対象となる「紙」は下記の通りです。
・社内資料(稟議書・申請書・報告書・会議資料・その他回覧資料等)
・社外資料、証憑類(プレゼン資料、契約書、見積書、請求書、領収書、納品書等)
・その他(給与明細、福利厚生に関する申請・届出等)
従来は、紙以外の選択肢がありませんでした。しかし、選択肢が増えた昨今では、紙を用いて業務を進める「紙文化」にはデメリットが多いことがわかっています。
紙文化を続けると、紙代・印刷代・ファイル代・保管場所などのコストがかかり続けます。証憑の法的保管期限は7~10年と長く保管スペースを占拠し続けるうえ、期限が過ぎた分を適切に廃棄するためのコストも必要です。また、紙の資料などをやり取りする際にかかる郵送コストも見逃せません。
紙で保存している文書は、探すのに時間がかかります。ひとたび行方がわからなくなってしまった資料は、もう見つからない可能性すらあるでしょう。きちんと整理してインデックスをつけて管理していても、PCでのファイル検索スピードには及びません。
紙資料は、コピー禁止や閲覧者制限が機能しにくいため、誰でも記載情報を把握しやすいというデメリットがあります。また、紙が束になっていると見落としやすい、抜け落ちやすい、持ち出しやすいという特徴があるため、紛失や置き忘れ、盗難リスクも高くなります。さらに、水や火にも弱いため情報を消失するリスクも高いでしょう。
紙の資料は共有しにくく、テレワークやリモート会議などには不向きです。リアルタイムで更新された情報を反映させることも難しく、同じタイトルの資料が複数ある場合は逐一日付を記載以外に判断材料がありません。働き方の多様性に対して、ネックとなる可能性が高いでしょう。
そもそも、会議資料などはPCで作成することが多いのではないでしょうか。それを、会議のたびに人数分の印刷をして、配布するのは二度手間です。掲載情報によっては、回収と廃棄も必要となり三度手間となります。
2024年(令和6年)1月1日、電子帳簿保存法改正による新しいルールが施行され、電子証憑を印刷して保存することはできなくなりました。紙の証憑と電子証憑を別々に保管せねばならず、手間が増えることになるでしょう。
ペーパーレス化を始めたものの、定着せずに悩んでいる企業は少なくありません。その原因の多くは、「電子化が追いつかず中途半端になっている」「全社に浸透せず、いつの間にか紙に戻っていた」というケースではないでしょうか。
ペーパーレス化を成功させるポイントは、以下に挙げる5つの課題への対策を練ることです。
ペーパーレス化の推進は、経営陣ばかりがやる気になっていても定着しません。現場にとっては業務の進め方が大きく変わるため、混乱と不満を招くことになるでしょう。社内周知、事前研修、担当者の選任などをおこない、ペーパーレス化に取り組む意図や意義を企業全体で共有することが大切です。
従来の「はんこ文化」を見直すことは、ペーパーレス化の推進に加え、全体的な業務効率化にも役立ちます。単純にはんこをデジタルサインに移行するのではなく、印やサインを必要とする文書の見極めをおこない、決裁フローの効率化を実現させましょう。
紙を中心とする業務フローのまま、ペーパーレス化を押し進めるのは無理があります。例えば、紙での記入や管理を考慮したフォーマットのままでは、デジタル化した際に使いにくいでしょう。いったん社内業務をすべて洗い出し、デジタル化に対応した業務フローの再構築を検討することが重要です。
最適な業務フロー構築と並行して、デジタルデータを管理するシステムの選定もおこないます。企業規模や業種、業務内容を考慮して、過不足のないツールを選びましょう。人的リソースが不足している場合は、部分委託やアウトソーシングを視野に入れて検討するのも1つの手です。
デジタルデータを扱う端末の新調やグレードアップ、ネットワーク環境の整備も不可欠です。モバイル端末を利用する場合は、支給にするのか、購入補助にするのかなども決めなくてはなりません。社外持ち出しや私用端末からのアクセス制限など、問題が起こる前にルールを決めておきましょう。
5つの課題を見て、ペーパーレス化の推進は面倒だと感じてしまったかもしれません。ここからは、課題をクリアした先にあるペーパーレス化のメリットを紹介します。
会社の仕組みを大きく変えるため、導入コストはかかります。しかし、その後は、印刷・管理・郵送・廃棄コストの大幅に削減するでしょう。さらに、業務効率化が進むことにより残業や時間外労働が減り、人件費の削減にもつながります。システム維持費を考慮しても、トータルコストの低減が期待できるというわけです。
デジタルデータは、検索や閲覧がしやすく、使った後で元の場所にしまうという動作が不要なため、誰が扱っても情報を見失うことがありません。保管期間が過ぎたデータの削除も簡単です。また、デジタルデータ管理にクラウド型のシステムを利用すると、データ保存場所がクラウド上のストレージになるため大がかりな社内サーバーも不要です。
デジタルデータは、アクセス制限や閲覧制限等の権限付与が容易なため情報の保護が図りやすく、置き忘れや紛失の心配がありません。適切なサイバーセキュリティ対策をとることで、サイバー攻撃を仕掛けられても盗難や改ざんに対抗可能です。また、万一、事務所が盗難にあっても情報を守ることができます。
デジタルデータは、情報の共有が簡単です。いつでもどこからでも共同作業できるため、テレワークだけでなく社外との共同プロジェクトもおこないやすくなります。新規事業の開発やコネクション拡大など、企業成長のきっかけになるかもしれません。
ペーパーレス化が実現すると、業務効率化が進むため社員によっては余裕が生まれ、リソースの再配分も可能です。社員のキャリアプランやライフスタイルに合った働き方の提供ができるため、エンゲージメントの向上が期待できます。また、離職率の低減や新規採用にも好影響を与えるでしょう。
ペーパーレス化は、SDGs目標達成にもつながる取り組みです。紙資源使用量削減、印刷回数減による電気使用量削減、郵送不要による二酸化炭素排出量低減などが見込めることで、SDGsゴールの1つ「12:つくる責任つかう責任」に貢献できるでしょう。柔軟な働き方に対応する取り組みは「8:働きがいも経済成長も」にもかかわります。
デジタルデータのやり取りには即時性があるため、スピーディーかつスムーズな顧客対応を可能にし、営業機会の損失防止や顧客満足度の向上にも効果的でしょう。また、積極的にペーパーレス化に取り組むことで、社外評価アップや社会的信用の獲得につながるのではないでしょうか。
コスト削減、二度手間によるムダを廃することで業務効率化が実現し、コア業務に専念できるため、生産性向上は当然の効果です。継続的、恒常的なペーパーレス化は、企業成長への第一歩といえるでしょう。
ペーパーレス化を成功させるためには、企業全体の意識改革と根本的な業務フロー改善が重要なポイントだと、おわかりいただけたのではないでしょうか。
しかし、きちんと効果の出る業務フロー改善には、ノウハウを持つプロの視点が必要不可欠です。
弊社では、丁寧なヒアリングによりそれぞれの企業にあった提案をさせていただきます。
業務フローの最適化はもちろん、導入ツールの選定から導入支援、社内研修の提供など、ペーパーレス化の実現に必要な各種サポートをおこなっています。
無料相談やオンライン相談も実施しておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。
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