2025.08.26
新入社員が入ったら最初にやる社会保険の手続きとは?
新年度や採用シーズンの到来により、新入社員を迎え入れる企業も多いのではないでしょうか。「ようやく人が入った」と安心する間もなく、経理や労務担当者にとってはやるべき事務手続きが山積みです。中でも「社会保…
新年度や採用シーズンの到来により、新入社員を迎え入れる企業も多いのではないでしょうか。「ようやく人が入った」と安心する間もなく、経理や労務担当者にとってはやるべき事務手続きが山積みです。中でも「社会保険の手続き」は必須かつ期限があるため、後回しにすると大きなトラブルの原因になりかねません。
この記事では、新入社員を雇用した際に最初に行うべき社会保険の手続きの全体像をわかりやすく解説します。
特に「どの書類を」「いつまでに」「どこに提出すれば良いのか」といった実務に直結する内容にフォーカスしました。
この記事を読むことで、社会保険の初動対応で迷うことなく、スムーズに入社対応を進められるようになります。
人事・経理・労務を兼務している中小企業の担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
新入社員の入社時に必要な社会保険の手続きとは?
新入社員が入社すると、企業はその社員に対して健康保険と厚生年金保険、そして雇用保険の加入手続きを行う必要があります。法律で定められた義務であり、正社員だけでなく、条件を満たすパートや契約社員も対象です。
健康保険と厚生年金保険のセット加入
企業が社会保険に加入している場合、新入社員を雇用すると、健康保険と厚生年金に同時に加入させなければなりません。
手続きは「健康保険・厚生年金被保険者資格取得届」の提出によって行います。
雇用保険の加入も忘れずに
雇用保険の加入対象は「31日以上の雇用見込みがあり、かつ週20時間以上勤務する者」です。
手続きには「雇用保険被保険者資格取得届」の提出が必要です。
【実務向け】社会保険手続きの流れと提出書類一覧
新入社員の社会保険に関する手続きは複数の書類提出が求められます。以下に、具体的な流れと提出書類を紹介します。
①健康保険・厚生年金保険の加入手続き(年金事務所)
書類名 |
内容 |
提出期限 |
提出先 |
被保険者資格取得届 |
健康保険・厚生年金への加入申請 |
入社日から5日以内 |
年金事務所 |
基礎年金番号がわかる書類 |
基礎年金番号通知書、年金手帳など |
添付が必要な場合あり |
同上 |
②雇用保険の加入手続き(ハローワーク)
書類名 |
内容 |
提出期限 |
提出先 |
雇用保険被保険者資格取得届 |
雇用保険加入申請 |
翌月10日まで |
ハローワーク |
労働条件通知書または雇用契約書 |
労働条件の証明 |
添付資料として使用 |
同上 |
社会保険手続きを怠るとどうなる?
社会保険の加入手続きには厳格な期限があります。手続きを怠る、もしくは遅れることで以下のようなリスクが発生します。
① 過去分の保険料を遡って徴収される
社会保険料は「入社日」にさかのぼって適用されるため、手続きが遅れてもその分の保険料は後から請求されます。遅れた分だけ会社と社員双方にとって、予期せぬ出費になる恐れがあります。
② 労務トラブルに発展する可能性
社員が病気や怪我をした際に保険証が使えない、失業保険が受け取れないといったトラブルが発生することもあります。これにより、企業側への不信感や信頼失墜を招きかねません。
③ 行政からの指導・罰則対象になる
年金事務所や労働基準監督署からの指導・是正勧告、場合によっては罰金が課される可能性もあります。
中小企業であっても「知らなかった」「うっかり忘れた」は通用しません。
社会保険の手続きでよくある疑問と実務ポイント
Q1:扶養家族がいる場合はどうする?
新入社員に扶養家族がいる場合は、「健康保険被扶養者(異動)届」の提出が必要です。配偶者や子ども、親などが対象になります。提出先は所軸の年金事務所です。
Q2:パートタイマーも社会保険に加入するのか?
パートタイマーも1週間の労働時間及び月の労働日数が通常の正社員の3/4以上である場合は加入が必要です。また、2024年10月からは従業員数51人以上(厚生年金の被保険者)の場合以下の条件を満たすパート・アルバイトも社会保険の対象となり正社員と同様に手続きが必要です。
これらを満たす場合は、正社員と同様に加入手続きが必要です。
社会保険手続きの効率化に役立つ3つの方法
① 社会保険手続きを電子申請に切り替える
GビズIDを取得すれば、e-Gov(電子政府)を使って社会保険手続きの一部をオンラインで申請できます。紙提出よりもスピーディーかつ控えも残るため、トラブル防止にもつながります。
② 事前に必要書類を新入社員にリストアップしておく
入社時に必要な書類を「採用通知」と一緒に送っておけば、入社初日に手続きが始められます。必要書類例:
③ 社労士との顧問契約を検討する
手続きミスや法改正への対応に不安がある場合は、社会保険労務士に任せることでリスク回避が可能です。
特に、社員が増えるタイミングや制度改正時は、専門家のサポートを受けることでスムーズな運用が期待できます。
まとめ
新入社員の入社時に行うべき社会保険の手続きは、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の3点です。それぞれに提出期限と提出先が異なり、放置すると労務トラブルや行政指導の対象になってしまいます。
【重要ポイント】
社会保険の手続きは、企業としての「信頼」と「法令遵守」が問われる重要業務です。
正確かつ迅速に対応できる体制を整えることで、新入社員にも安心して働いてもらえる環境づくりにつながります。
弊社では、社会保険手続きの代行サービスや社労士との連携によるサポートを提供しています。
労務管理でお困りの際は、お気軽にご相談ください。
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