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コラム

2024.07.08
【インボイス制度の疑問】適格請求書発行事業者が亡くなった場合の事業承継はどうするのか

インボイス制度の概要

インボイス制度(正式名称:適格請求書等保存方式)とは、複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の新しい方式です。2023年10月1日の施行日より、消費税の仕入税額控除の適用を受けるためには、一定の要件を満たした適格請求書(インボイス)の保存が必要になりました。

適格請求書発行事業者とは

インボイスの発行は、適格請求書発行事業者として登録した事業者のみがおこなえます。事前登録期間は終了しましたが、任意のタイミングで申請可能です。ひと月半程度の審査期間を経て手続きが完了すると、適格請求書発行事業者の登録番号が発行されます。

インボイスの必須事項

インボイスの要件を満たす記載事項は下記の通りです。従来の「区分記載請求書等保存方式」では任意とされていた部分にもルールが追加されました。

【インボイスに必要な記載事項】※は、追加・変更点

・インボイス発行事業者の氏名または名称、および※登録番号
・取引年月日
・取引内容(※軽減税率の対象品目である旨)
・税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜きまたは税込み)および※適用税率
・※税率ごとに区分した消費税額等
・書類の交付を受ける事業者の氏名または名称 

適格請求書発行事業者が亡くなった場合

適格請求書発行事業者の登録をしていた個人事業主が亡くなった場合、相続人は速やかに「適格請求書発行事業者の死亡届書」を所轄税務署に提出しなければなりません。この届出は、相続人が事業を承継するかどうかにかかわらず提出が必要です。

適格請求書発行事業者登録番号は承継不可

事業に必要な各種許可番号や登録番号などは、事業承継者がそのまま引き継げるものもあるでしょう。しかし、インボイスの発行に必要な適格請求書発行事業者登録番号は、承継意思の有無にかかわらず、相続することができません。

事業を継ぐ相続人がいない場合は失効する

先代事業主の事業を継ぐ相続人がいないケースでは、次のいずれか早い日に適格請求書発行事業者登録の効力が失われます。

(1)「適格請求書発行事業者の死亡届出書」を提出した日の翌日
(2)適格請求書発行事業者が死亡した日の翌日から4ヵ月が経過した日 

事業を継ぐ相続人がいる場合

適格請求書発行事業者の相続人が事業を承継することになっても、インボイスにかかる権利や効力は相続によって引き継ぐことができません。適格請求書発行事業者ではない相続人が事業を承継し、先代にならってインボイスを発行したいという場合には、改めて適格請求書発行事業者登録をおこなう必要があります。

しかしながら、適格請求書発行事業者の登録申請から手続き完了までひと月以上の時間がかかります。その間の事業が滞ることにならないように、「みなし登録期間」という特別措置が用意されています。

みなし登録期間

みなし登録期間中は、「先代事業主の適格請求書発行事業者登録番号」を後継者の登録番号とみなします。したがって、先代事業主の登録番号を記載したインボイスの発行が可能となり、支障なく事業を継続できます。
みなし登録期間は、相続開始日の翌日に始まり、次のいずれか早い日まで続きます。
(1)後継者となる相続人が適格請求書発行事業者の登録を受けた日の前日
(2)先代事業主が死亡した日の翌日から4ヵ月を経過する日

みなし登録期間の開始

みなし登録期間は、適格請求書発行事業者の死亡届書の「相続による届出者の事業承継の有無」欄において承継の意思表示をすることで選択が完了します。特別な手続きをおこなう必要はありません。

みなし登録期間の延長

みなし登録期間中に相続人が適格請求書発行事業者の登録申請書を提出している場合は、登録完了通知が届くまでの期間を「みなし登録期間」とします。つまり、本来のみなし登録期間内に完了通知が届かなくても、自動延長されるというわけです。

ただし、承継の意思を示したものの、みなし登録期間内に登録申請をおこなわなかった場合には、前述通りの期限をもってみなし登録期間が終了し、適格請求書発行事業者の効力が失われます。

みなし登録期間の消費税納税負担について

みなし登録期間、相続人は先代事業主の登録番号を使用する権利とともに、課税事業者としての納税義務も負うこととなります。相続人が免税事業者であっても、基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても、消費税を納めなくてはなりません。

適格請求書発行事業者の登録は任意

適格請求書発行事業者の登録は任意です。事業を承継した相続人においても、先代の意向にかかわらず適格請求書発行事業者になるかどうかを自由に判断できます。ただし、取引先や顧客は先代事業主と同じ条件での取引を望むことが多いでしょう。

インボイスを発行できるかどうかは、取引先や顧客の納税額を左右します。取引そのものに影響をおよぼす可能性も否定はできません。そういったことも視野に入れ慎重に検討することが大切です。

まとめ

予定されている事業承継ならば、先代と話し合う時間や引き継ぐ期間を用意することもできるでしょう。しかし、相続を伴う承継の多くは予期せぬタイミングでおこなわれます。中にはそもそも、引き継ぐことすら念頭になかった相続人が承継せざるを得ないというケースも少なくありません。

事業承継の手続きに不安や疑問を感じた場合は、遠慮なくご相談ください。

外部のプロが第三者として承継問題に参加することで、解決に向けてスムーズに進むケースは多いものです。

もちろん、インボイス制度についてのご相談もお待ちしています。
無料相談やオンライン相談も承っておりますので、どうぞお気軽にお声がけください。

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この記事を担当した税理士
株式会社YMG コンサルティングラボ 部長代理 興梠 貴裕
保有資格弥生インストラクター資格 / 日商簿記3級
専門分野IT
経歴業務系システム業界に身を置いて12年目。様々な業種のお客様のシステム導入に関する多くの相談実績が有り 導入実績も多数。常にお客様目線で対応し、お客様の課題解決に全力で取り組む姿勢に定評有。
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