2025.09.30
2025年10月施行「育児・介護休業法改正」|中小企業がとるべき対策と理由
2025年10月1日に施行される育児・介護休業法の改正は、中小企業にとって「柔軟な働き方」への対応を本格化させる重要な転換点です。しかし、リソースが限られている中小企業にかかる負担は大きく、法令遵守と…
新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけとして、出社せずに仕事をする「テレワーク」が急速に広まりました。今では、労働力不足の解消や多様な人材確保、地域活性化、災害対策といった目的から、国が推奨する働き方として位置づけられています。しかし、大企業と比べると、中小企業のテレワーク導入率は依然として低い水準で、十分に定着しているとは言い難い状況です。
本記事では、経理業務におけるテレワークを前提に、中小企業で導入が進まない背景を分析し、明らかになった課題への対応策を紹介します。
≪目次≫
厚生労働省では、テレワークに関する各種データを公表しています。これによると、企業規模が大きいほどテレワーク導入率が高く、資本金規模50億円以上の大企業では64.3%に達する一方、5,000万円未満の中小企業では14.4%にとどまっています(厚生労働省「テレワークを巡る現状について」より)。
中小企業にテレワークが浸透しにくい理由として、次のようなものが挙げられます。
オンライン会議ツールやビジネスチャットツールを用いることで、業務指示や進捗報告、情報共有を行うことは可能です。一方で、雑談や気軽な相談の機会は減り、「顔を見て話さないと、相手の不安や不満がわからない」と感じる人は少なくありません。
このような社内コミュニケーションの変化に対する抵抗感や不安感が、テレワークの導入に踏み切れない理由の1つです。
テレワークでは、出退勤や稼動時間の確認が難しくなり、従業員には自律的な行動が求められます。その結果、経営者や管理者は「サボっているのではないか」「逆に、働きすぎていないだろうか」といった懸念を抱えることがあるでしょう。
また、成果の測定や評価方法が明確化されていないケースでは、従業員が評価への不安を覚え、不信感やモチベーションの低下を招く可能性があります。
「印刷した書類に上司の押印を受ける」という従来の承認フローも、テレワーク導入の障壁となっています。
また、テレワークの実施には、資料のデジタル化が不可欠です。電子帳簿保存法の改正により、電子取引で授受したものはデジタル保存が義務づけられていますが、それ以外の書類については、依然として紙による作成・保管を続ける企業が多いのが現状です。
社外での業務を安全に行うには、VPN(仮想プライベートネットワーク)やウイルス対策ソフトの導入、ファイアウォール設定など、セキュリティ環境の整備が不可欠です。さらに、従業員による意図しない情報漏えいリスクに備え、ネットリテラシー向上のための社内研修や教育も欠かせません。
経理業務のテレワークには、クラウド型会計システムの導入が求められます。これにかかる導入コストや運用コスト、保守費用などの負担がネックになっているケースもあるでしょう。また、テレワーク用にノートパソコンや周辺機器をそろえたり、ネットワーク環境を整えたりするコストも軽視できません。中小企業では、こうしたテレワークにかかる費用対効果の見極めも含めて、慎重に検討する必要があります。
テレワークには社内制度や業務環境整備など、乗り越えるべき課題が存在するのは確かです。しかし、適切な対策を講じて取り組めば、企業にとって大きなメリットをもたらします。
ここでは、テレワーク導入によって得られる具体的な効果について解説しましょう。
テレワークの導入により出社頻度が減少すれば、通勤交通費の削減が可能です。加えて、光熱費や備品購入費など、オフィス維持にかかる費用も抑えられます。さらに、オフィススペースの縮小によって賃料負担が軽減されるなど、全体的なコスト削減効果が見込めます。
自然災害や感染症の拡大など、非常時においてもテレワークを導入していれば業務を継続できます。交通機関が停止するような状況でも、テレワークなら帰宅困難リスクがありません。
また、データのクラウド管理により、消失リスクも大幅に軽減できます。つまり、テレワークの導入はBCP(事業継続計画)の強化にも大きく貢献するというわけです。
クラウドツールの活用により作業の自動化が進み、ファイル共有や共同作業も容易になります。その結果、業務効率の向上が実現するでしょう。テレワークでの作業内容はリアルタイムでクラウド上の会計システムに反映されるため、管理者は任意の端末から財務データを確認できます。これにより、経営判断のスピードアップ、決済業務の迅速化にもつながります。
柔軟な働き方の選択肢としてテレワークを導入すると、従業員のワークライフバランスが改善され、企業への信頼感やエンゲージメントの向上につながります。また、在宅勤務が可能になれば、育児や介護などの事情を抱える人材も働きやすくなり、人材の流出抑制にも効果があります。さらに働きやすい職場環境を整えることで企業イメージが向上し、採用活動にも好影響を与えるでしょう。
テレワークのメリットを最大化するためには、適切なツールの活用と運用環境の整備も重要です。特に、クラウド型会計システムや業務管理ツールは、中小企業が抱える課題を解決する強力な武器となります。
ここからは、クラウドツールの有用性と導入時の注意点について解説します。
テレワーク導入時には、日々の運用が円滑になる「仕組みづくり」が重要です。制度設計や管理手法の工夫によって、業務の透明性と効率性を高めることができます。
従来型のタイムカードや出勤簿による勤怠管理では、テレワークに対応しきれません。デジタルタイムカードによる打刻システムや、出退勤データの自動取得、休暇申請のデジタル化などが可能な勤怠管理ツールの導入が効果的です。正確な勤怠把握ができ、会計システムとの連携により給与計算の効率化にもつながります。
非対面でも「つながっている」と感じられる環境づくりが、社内コミュニケーションの質を左右します。たとえば、毎日決まった時間にオンラインミーティングを実施したり、気軽な質問ができるチャットスレッドを設けたりすることで、相談しやすい雰囲気づくりに有効です。業務中に会議ツールを常時起動しておくと、雑談やちょっとした確認もしやすくなります。
在宅勤務では、個々のネット環境が業務の生産性に直結します。クラウドツールを安定的に活用するためには、社内外で十分な通信環境を整えることが不可欠です。回線速度やセキュリティ対策も含めて、業務に支障が出ない環境整備を行いましょう。
勤怠管理の整備、コミュニケーションツールと活用方法のルール化、ネット環境の整備などが終わったら、クラウド型会計システム導入を検討するフェーズです。社内のみの運用ならば、インストール型の会計システムでも対応できますが、テレワークではクラウド型のほうが有利です。
クラウド型会計システムは、インターネット環境さえあれば、時と場所を選ばずに利用できます。自宅や出先からでも端末を問わずアクセスできるため、急な修正などが必要な場合でも柔軟に対応可能です。
帳票や資料、成果の受け渡しをクラウド上で行うことで、紙媒体の使用を減らせます。USBメモリなどの物理的な媒体を持ち歩く必要もなくなり、セキュリティ面でも安心です。
クラウド型会計システムでは、ID・パスワードによる認証に加え、アクセス権限の設定が可能です。操作履歴(ログ)も記録されるため、誰がいつ何を行ったかが明確になり、不正防止にもつながります。
クラウドサービスの提供元では、一般企業よりもハイレベルのセキュリティ対策が取られています。これにより、自社のセキュリティ水準の底上げが可能です。ただし、導入にあたっては外部認証制度の取得状況や経営方針などを確認し、運営企業の信頼性を十分に確認することが重要です。
法令や税制の改正に応じてシステムが自動的にアップデートされるため、常に最新の制度に準拠した処理が可能になります。これにより、法改正があるたびに経理担当者が情報を集め、学び、対応に追われるという負担が軽減されます。
テレワーク運用に向けて、クラウド型会計システムの導入や周辺環境の整備を検討している企業は、専門家の導入サポートを活用する方法がおすすめです。また、自社にあったシステムが分からないという企業も、プロに相談すると良いでしょう。
専門家の導入サポートは、自社の業務フローを見直し、最適なシステムの選定から導入支援、導入後の質問対応まで、一貫してサポートしてくれるサービスです。専門知識やノウハウを持つプロのサポートを受けることで、テレワークの成功率も高まります。
テレワークは、一時的なコロナ対策ではなく、今や企業の競争力を左右する重要な働き方の1つとなっています。
特に、人手不足や業務の属人化といった課題を抱える中小企業こそ、テレワークの導入による恩恵が大きくなるでしょう。
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