2024.11.21
経営者の経理兼務はコスト削減になるのか?見落としてはならない「社長の価値」
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2023年10月1日、いよいよインボイス制度が始まります。すでに準備を終えたという方も、まだためらっているという方もいるのではないでしょうか。今回は、改めてこの制度の概要と、「令和5年の税制改正」で決まった様々な対策についてお話していきたいと思います。
【目次】
まずインボイス制度とは、何を目的として導入される制度なのかという点を確認しておきましょう。
インボイス制度の目的は、「取引における正確な消費税額と消費税率を把握すること」です。2019年10月に消費税の軽減税率が導入されたことにより、「標準税率10%」と「軽減税率8%」が混在することとなりました。同じ飲食店でもテイクアウトとイートインで消費税額が変わるということを、多くの方が体験されていることでしょう。
消費税は、「消費(購入)する」たびに課される税金です。納税先はもちろん国ですが、消費のたびに国に納めるわけではありません。消費者は商品代金と消費税額を合わせて店や企業に支払い、店や企業は消費税分をまとめて国に納めるという仕組みになっています。 一般消費者は基本的に「買い手」です。しかし、店や企業は商品を販売する際は「売り手」、仕入時には「買い手」となるため、「売ったときに受け取った消費税額-買ったときに支払った消費税額(仕入税額)」として最終的な納税額を算出します。このとき正確な税額がわからないと、納税額に過不足が生じてしまうかもしれません。
「仕入税額」にも、標準税率10%と軽減税率8%が混在しています。双方が正しい税額を把握するために、売り手は「正確な適用税率や消費税額を伝えるための書類」を発行すること、買い手はその書類を適正に保管することとなりました。 この「正確な適用税率や消費税額を伝えるための書類」のことを「適格請求書(インボイス)」、発行や保存について取り決めた制度のことを「適格請求書保存方式(インボイス制度)」と呼ぶのです。
ここからは制度の概要を見ていきましょう。
適格請求書(インボイス)を発行するためには、インボイス発行事業者としての登録が必要です。納税地を所轄する税務署長に対して「適格請求書発行事業者登録申請書」を提出しましょう。税務署による審査を経て登録された場合は、登録番号や公表情報等が記載された「登録通知書」が送付されます。登録手続きは税務署窓口のほか、国税庁が提供するソフト「e-Tax」を利用してパソコンやタブレット、スマートフォンからでも可能です。
インボイス発行事業者は、国内において課税資産の譲渡等を行った場合、適格請求書の交付義務が生じます。取引先から交付を求められたときは、一定の場合を除き、速やかに適格請求書を発行しなければなりません。
納税時に仕入税額控除を受けるためには、原則としてインボイスの適切な保存が適用要件となりますが、次の書類についても保存しておかなければなりません。
・適格簡易請求書(インボイス登録番号・取引年月日・取引内容・税率ごとに区分した対価の額・税率ごとに区分した消費税額等または適用税率が記載されたもの)
・適格請求書又は適格簡易請求書の記載事項に係る電磁的記録
・適格請求書の記載事項が記載された仕入明細書、仕入計算書その他これらに類する書類
買い手にとっての最大の注意点は、消費税に対する仕入税額控除の適用を受けるためには、インボイス発行事業者が発行した適格請求書が必要だということです。仕入税額控除が適用されないと、税金の負担がとても大きくなってしまいます。
制度開始後は、インボイス発行事業者から受け取った適格請求書や関連書類を適切に保管すること、同時に取引先がインボイス発行事業者かどうかを確認することも重要になってくるでしょう。なぜなら、仕入税額控除の適用要件である適格請求書は、インボイス発行事業者でなければ出すことができないからです。
ただし、インボイス制度開始後6年間は、インボイス発行事業登録をしていない免税事業者等からの課税仕入れについても、一定の割合を仕入税額として控除できる経過措置が設けられています。 なお、簡易課税制度を選択している場合には、売上高に対する割合で消費税を計算するため、仕入先がインボイス発行事業者である必要はありません。
これまで、売上高1,000万円以下の事業者は消費税を納める必要がない「免税事業者」として認められていました。そのため、免税業者にインボイス制度は関係ないのでは?と思われる方もいるかもしれません。しかし、最も影響を受けるのは免税事業者なのです。
先ほども少し触れましたが、適格請求書はインボイス発行事業者として登録していないと発行することができません。つまり、免税事業者は適格請求書を発行できないということです。
買い手にとっては、「仕入消費税額が控除されるインボイス発行事業者」と「仕入消費税額が控除されない免税事業者」のどちらを選ぶかということになります。よほどのことがない限り、取引先は免税事業者との取引をやめ、税負担が軽減されるインボイス発行事業者との取引に変えてしまう可能性が高いのではないでしょうか。
免税事業者にとって、インボイス発行事業者登録をするということは「これまで免除されてきた消費税を払う」ということになります。しかし、免税事業者のままでは得意先を失う恐れがあるため、適格請求書発行のためには課税事業者にならざるを得ないというわけです。
2023年2月、「令和5年度税制改正」についての発表がありました。個人所得課税や法人課税、国際課税など様々な税金について変更が予定されています。インボイス制度に関連する改正案のひとつが、次に挙げる「激変緩和措置」です。
免税事業者がインボイス発行事業者を選択した場合、制度開始より3年間は消費税納税額を「売上額の2割」に軽減する
基準期間における課税売上高が1億円以下、または特定期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者が行った課税仕入れのうち、1万円未満の取引については適格請求書がなくても帳簿のみで仕入税額控除を可能とする
1万円未満の値引きや返品等にかかる返還インボイスについては、交付義務を免除する これらの措置により、売り手買い手双方の事務負担が大幅に軽減されます。また、簡易課税制度を選択するよりもインボイス制度を選択した方が、最初の3年間は納税額が低減することになる事業者も多いでしょう。
導入間近となったインボイス制度。適格請求書を発行するためには、2023年10月の制度開始までにインボイス発行事業者登録を済ませておく必要があります。
適格請求書を必要としない個人や一般消費者との取引「B to C(Business to Customer)」を主としている場合には、免税事業者からインボイス発行事業者になる必要はありません。
しかし、仕入税額控除の適用を受けるために適格請求書を必要とする事業者との取引「B to B(Business to Business)」があるならば、インボイス発行事業者になることを考えなくてはならないでしょう。
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