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コラム

2026.05.28
決算後に見直す経理業務の改善ポイント

決算が終わると、月次の遅延や処理ミス、担当者への業務集中といった経理の課題が一気に表面化します。しかし、こうした”気づき”を、翌期の改善につなげている中小企業は多くありません。決算直後は、業務のムダや負担を整理し、翌期に向けて経理体制を整える絶好の機会です。本コラムでは、決算後に見直すべき経理業務と、改善を進めやすい実務的な対策について詳しく解説します。

<目次>

決算後は経理業務を見直す絶好のタイミング

決算とは、1年間の取引を集計し、売上・経費・在庫・固定資産・未払金などの内容をひとつひとつ確認する作業です。これにより、月次処理の遅れや資料不足、仕訳の誤り、担当者しか把握していない処理など、日々の経理業務では見えにくかった課題が浮かび上がります。だからこそ、決算後は、経理業務の改善点が最も見えやすく、「決算後の経理見直し」を行う絶好のタイミングです。

決算後に改善を進めやすい理由

決算直後は、処理が滞った原因やミスが発生した箇所を把握しやすく、改善の優先順位もつけやすい時期です。「あの書類がそろわなかった」「ここで処理が滞った」といった記憶が鮮明なうちに課題を洗い出すことで、具体的な対策を講じやすくなります。

決算で得た気づきを放置すると、翌期も同じ問題が繰り返されることになるでしょう。一方、決算後に業務フローを見直して仕組みを整えておくと、翌期の月次処理が安定し、経営判断のスピードと精度を高められます。経理の運用体制を立て直すには、まさに最適なタイミングです。

見直すべき主要な経理業務と改善ポイント

中小企業の経理は、限られた人数で幅広い業務を抱えるケースが多く見られます。近年は制度改正に伴う業務量の増加や複雑化が進み、日々の処理が滞りやすい状況です。業務負担の偏りやルールの曖昧さなど、気づかないうちに課題が積み重なっている企業も少なくありません。

ここでは、特に悩みが生じやすい業務を取り上げ、どこに改善の余地があるのかを説明します。

月次処理が遅れる理由

月次処理が遅れる主な理由として、領収書・請求書の提出遅れなど必要書類の不足が挙げられます。それらがそろわないと、処理が進めれなかったり、後から修正する必要があったりするため、月次決算の遅延ややり直しにつながります。こうした状況が続くと、処理の遅れが翌月以降にも影響し、決算時に未処理が積み上がるリスクが高まります。また、毎月の資金繰りや利益の変動を把握するのが後手に回り、経営判断にも影響が出る可能性もあるでしょう。

改善策:証ひょう整理・仕訳入力の標準化

月次処理に必要な領収書や請求書は、経理以外の従業員も扱います。そのため、提出期限や提出方法(フォルダ構成・ファイル名など)のルールを統一し、処理結果まで一元管理できるようにすることが重要です。仕訳入力はテンプレート化するなど、一般社員にもわかりやすく、担当者がチェックしやすい状態を整えることで、遅延リスクを軽減できます。

DXポイント:クラウド会計の活用で精度向上

クラウド会計を導入すると、銀行口座やクレジットカードの明細取得から仕訳が自動化されます。また、レシートをスマートフォンで撮影するだけで、読み取りと仕訳が完了するため、経費精算にかかる手間を大幅に削減可能です。手入力の機会が減ることでヒューマンエラーが起こりにくく、修正作業の負担も軽くなるでしょう。結果として、月次処理の遅延が解消されやすくなり、数字の正確性も高まるため、決算をスムーズに進めやすくなります。

請求漏れ・支払遅延が起きる理由

請求漏れや支払遅延の発生は、担当者依存の強さが理由の1つです。請求書の発行・送付、入金確認といった一連の流れが特定の担当者に依存していると、不在や繁忙によって処理が止まりやすくなります。請求漏れは売掛金の回収遅延につながり、資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。支払遅延が続けば、取引先からの信頼を損ね、関係悪化やトラブルの火種にもなりかねません。

改善策:請求・支払のダブルチェック体制構築

請求・支払の流れを可視化し、発行・承認・送付・入金確認までの手順を整理します。作業の抜け漏れを防ぐためには、処理手順を文書化し、業務フロー図としてまとめる方法が有効です。担当者だけに任せず、複数人でチェックできる体制を整えることが、安定化につながります。

DXポイント:専門家に委託して信頼性を維持

外部委託を活用すれば、二重チェック体制を構築しやすくなり、担当者依存の解消も実現します。未払い管理や督促など、社内で対応が難しい業務を専門家に任せられる点も外部委託の利点です。請求・支払業務の正確性が向上し、取引先との信頼関係も維持しやすくなるでしょう。

給与計算の負担が増える理由

給与計算を経理担当者が兼務している企業は少なくありません。しかし、給与計算は、勤怠集計や社会保険料の変更など毎月の作業量が多く、経理業務を圧迫しやすい側面があります。さらに、会計知識とは異なる税法や社会保険の専門知識が求められるため、担当者の負担は一段と大きくなるでしょう。こうした状況で経験に依存した運用が続くと、法改正への対応が遅れたり、控除計算の誤りが生じたりするリスクが高まり、従業員とのトラブルにつながるおそれがあります。

改善策:勤怠データの電子化

紙やExcelで勤怠を管理している企業では、転記ミスや集計漏れなどが給与計算の精度に直結する点が課題です。勤怠データを電子化し、計算ルールを整理することで、作業の正確性とスピードを高められます。残業計算や控除ルールを明文化し、担当者以外でも確認できる状態にしておくことが、安定した運用の土台となります。

DXポイント:法令遵守には外部委託が効果的

勤怠データをクラウド勤怠システムに一本化し、給与計算代行を活用することで、法改正への対応負担を大幅に軽減できます。専門家によるチェックが入ることで計算ミスのリスクも抑えられ、法令を遵守した正確な給与計算を確保できます。給与額に関わる業務を社内で行うことの気まずさや心理的負担から解放される点も、中小企業にとって見逃せないメリットです。

書類管理の無駄が発生する理由

紙の領収書や請求書が多い企業では、保管・検索・共有に時間がかかり、業務負担が大きくなります。また、書類が部署ごとに分散していると、必要な資料を探すだけで余計な手間がかかります。紛失や更新漏れ、重複管理などが重なると、どの数字が正確なのかを判断するのが難しくなるでしょう。監査や税務調査の際には、書類を整えるためだけにリソースが費やされることとなります。

改善策:書類管理の電子化

紙管理の無駄を解消するためには、書類の電子化が欠かせません。電子帳簿保存法に対応した形で書類を電子化し、保管範囲や保存場所、ファイル名のルールを統一します。検索性が高まることで、必要な書類にすぐアクセスでき、日常業務の効率が大きく向上します。紙の束を探し回る時間に加えて、紙を保管する備品やスペースを削減できる点もうれしい効果です。

DXポイント:クラウドツールで共有をスムーズに

クラウドストレージを活用すると、担当者間の情報共有が格段にスムーズになります。時と場所を問わずアクセスできるため、必要なタイミングで情報を把握でき、担当者の処理を待つ必要がありません。一元管理された情報がリアルタイムで更新されていく仕組みが整うため、更新漏れや重複に惑わされることもなくなるでしょう。こうした即時性の高い情報共有は、営業活動の判断材料としても有効で、経営判断の迅速化にもつながります。

1人経理がリスクとなる理由

中小企業に多い「1人経理」では手順を共有する必要性が低く、処理内容が文書化されない傾向にあります。しかし、誰とも共有しないまま手順がブラックボックス化すると、ミスや不正に気づきにくい環境となり、経理データの信頼性低下や決算時の混乱を招きます。

また、業務内容が担当者の頭の中にしかない状態では、引き継ぎも困難です。担当者の退職や休職によって、月次処理や請求・支払業務、給与計算といった主要な経理業務が停止するリスクが高まります。こうした要因が重なるほど、経理体制は脆弱になり、突発的なトラブルに対応しにくくなるでしょう。

改善策:担当者依存を解消させる

リソースに制限のある中小企業では、1人経理の解消としての増員は現実的ではありません。しかし、業務マニュアルの整備や手順の可視化によって、担当者以外でも対応できる仕組みづくりが可能です。処理内容を文書化し、判断基準を共有しておけば、急な不在時でも業務の継続を図れます。また、部分的あるいは業務プロセスごと専門業者に委託することで、担当者依存を解消させ、業務停止リスクを大幅に下げられます。

DXポイント:業務フロー見直しで根本的な効率化

属人化を根本から減らすには、外部委託に加えてクラウド会計やクラウドストレージの活用が効果的です。クラウド化によって業務フローが整理され、データ処理の標準化が進みます。アウトソーシング業者とも同じデータをリアルタイムで確認できるため、チェック体制の強化も実現します。増員が難しい中小企業でも、外部委託とクラウド導入を組み合わせることで、安定した経理体制を構築しやすくなるでしょう。

クラウドツールと外部活用で改善を強化

月次処理・請求管理・給与計算は、処理量が多いことに加えて締め切りが厳しく、処理に応じた判断も求められるため、担当者が抱え込みやすい領域です。クラウドツールの導入と専門家のサポートを組み合わせることで、担当者の負担を抑えながら、品質を高めることができます。ここでは、クラウドツールとアウトソーシング、それぞれの特徴とメリットを整理します。

クラウドツールの得意分野と導入メリット

決算後の改善を進めるうえで、クラウドツールは業務効率化の中心となる手段です。クラウドツールとは、ソフトウエアを自社のパソコンにインストールするのではなく、インターネット上のサービスとして利用する仕組みを指します。システムの更新や法改正への対応は運営会社が行うため、常に最新の状態で利用できる点が特徴です。また、データがクラウド上に保存されることで、複数の担当者や外部とも情報を共有しやすく、パソコンの故障などによるデータ消失リスクも抑えられます。

クラウド会計の得意分野

クラウド会計には、あらかじめ設定した金融機関や外部システムからの情報取得、自動仕訳・集計、レポート作成、電子書類の保存・検索といった機能があります。これにより、仕訳・月次処理の自動化、請求管理の一元化、勤怠データの集計、取引書類の電子保存といった分野で特に効果を発揮します。

クラウド会計のメリット

クラウド会計を導入すると、多くの作業が自動化されるため、入力ミスや転記漏れなどのヒューマンエラーが大幅に減ります。処理の正確性が高まることで月次業務が安定し、遅延も解消されるでしょう。また、法改正や制度変更への対応も自動アップデートされるため、常に最新のルールに沿った運用が可能です。経理データの精度が向上することで決算作業もスムーズになり、金融機関からの信頼性向上にもつながります。

アウトソーシングで任せられる業務と効果

アウトソーシングは、経理業務の一部または特定のプロセスを外部の専門家に委託する仕組みです。日常的な作業だけでなく、繁忙期のみの一時的な依頼や、特定領域だけを切り出して任せることもできます。専門知識を持つスタッフが対応するため、即戦力として業務に組み込める点が大きな特徴です。

アウトソーシングの得意分野

外部委託が特に効果を発揮するのは、仕訳入力や証憑整理、月次資料の作成といった細かな作業から、請求書発行・入金確認・支払処理などの請求管理、給与計算や社会保険料の変更対応といった専門性の高い領域まで幅広く含まれます。未払い管理や督促業務のように、社内では対応しにくい作業も委託効果を感じやすい分野です。

アウトソーシングのメリット

アウトソーシングを活用すると、外部の専門家による二重チェック体制が整い、ミスの発生を抑えられます。担当者が不在の場合でも業務が滞りにくく、属人化の解消につながる点も大きな利点です。クラウドの自動化では対応しきれない、個々の取引内容に応じた細やかな処理やイレギュラーに対応できるのも、外部委託ならではの強みだといえるでしょう。こうしたサポートにより、担当者の業務面・精神面の負担を軽減しながら、安定した運用を維持しやすくなります。

決算業務の効率化については、下記コラムで詳しく解説しています。
https://keiri-outsourcing.com/column/column-10313/
中小企業の決算業務を徹底解説|流れ・注意点・効率化のポイントまで

まとめ

決算後は、1年間の経理業務で生じた遅延やミス、属人化といった課題が最も明確になる時期です。気づいた問題をそのままにせず改善に取り組むことで、翌期の経営判断のスピードと精度を高められます。

業務フローの見直しに加え、クラウドツールの導入やアウトソーシングの活用を組み合わせれば、担当者の負担を抑えながら安定した経理体制を整えやすくなります。

経理の運用改善を検討される際は、こうした選択肢を踏まえ、貴社に合った方法を見極めることが重要です。

弊社では、丁寧なヒアリングにより貴社の状況を判断し、最適なDX方法を提案いたします。

決算後の経理改善やクラウドツールの導入に不安がある場合は、どうぞ遠慮なくご相談ください。クラウドツールの選定から導入、アフターサービスまで一貫してサポートいたします。

また、アウトソーシングの活用についても、貴社の業務フローを最適化するためのご提案をいたします。

初回無料相談サービスやオンライン相談も承っておりますので、決算後の課題と向き合う方法をお探しの方はぜひご連絡ください。

神奈川 横浜・町田経理アウトソーシングオフィスは、経理・税務・経営に関するお客様のあらゆる課題を解決する総合会計事務所です。創業50年以上の歴史を持ち、約100名の専門家がお客様の事業を力強くサポートします。

私たちの4つの強み
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この記事を担当した税理士
株式会社YMG コンサルティングラボ 部長代理 興梠 貴裕
保有資格弥生インストラクター資格 / 日商簿記3級
専門分野IT
経歴業務系システム業界に身を置いて12年目。様々な業種のお客様のシステム導入に関する多くの相談実績が有り 導入実績も多数。常にお客様目線で対応し、お客様の課題解決に全力で取り組む姿勢に定評有。
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