2025.12.11
テレワークで変わった?在宅勤務手当と税務・保険の取り扱い
テレワークで変わった?在宅勤務手当と税務・保険の取り扱い 中小企業の経営者・経理担当者の皆さま、こんにちは。 「テレワークが当たり前になったけど、在宅勤務手当ってどう処理すればいいの?」 「税金…
経理を担当するベテラン社員の退職や採用難に直面し、「経理が回らない」と悩む中小企業の経営者が増えています。特に、業務が属人化している場合には引き継ぎが難しく、それが深刻な経営リスクにもつながることもあります。
このような課題を解決するのが、「経理DX(デジタルトランスフォーメーション)」です。クラウド会計システム(以下、クラウド会計)や経理代行サービスを導入することで、少人数でも安定した経理体制が構築できます。
本コラムでは、中小企業が経理DXを活用して人材不足を乗り越えるための実践ポイントを解説します。
≪目次≫
経理人材不足が深刻化する中小企業の課題
経理DXで人材不足を乗り越える3つの方法
経理DX導入を成功させる3ステップ
経理DXで実現する「脱属人化」と安定運営
まとめ
経理業務を、特定の担当者に依存している中小企業は少なくありません。国の調査によれば、中小企業で働く人のうち3割近くが55歳以上とされています。社員の高齢化によって、突然の休職や退職が発生する可能性は高まります。ノウハウを蓄積しているベテラン経理担当者の不在は、経営リスクにも直結するため、早急な対策が必要です。
中小企業の多くは、「1人経理」体制です。特定の担当者が経理業務全般を担い、独自の手順で進めているため、他の社員は内容を把握していないケースが多いでしょう。また、情報共有の必要性が低いことから手順が文書化されておらず、担当者への依存が高い「業務の属人化」が進んでいることも少なくありません。
このように属人化した業務は、引き継ぎが困難です。引き継ぎに十分な時間が割けないまま前任者が退職すれば、文書化されていない重要な情報は失われるでしょう。その結果、業務の質やスピードが低下する可能性があります。
わが国は少子高齢化による構造的な人材不足が深刻化しています。2025年現在では、人材を求める企業よりも就職・転職希望者が少ない売手市場が続いている、といえるでしょう。そうした状況では、専門知識を有する人材は大手企業に集中するため、中小企業が経理人材を確保するのは困難です。
また、採用には、人材紹介手数料や求人広告費用、面接や説明会の運営費といったコストがかかります。さらに、未経験者を採用した場合は、教育コストも必要です。採用担当者の工数や人件費なども含めると、企業の負担は小さくありません。すぐに結果が出ない採用活動を継続的に実施することは難しいでしょう。
経理は売上に直結する業務ではないものの、企業の運営や経営判断に重要な役割を果たしています。経理業務が停滞してしまえば、会社を出入りするお金の流れがわからなくなり、適切な請求や支払いができません。その結果、取引先との信頼関係が損なわれるおそれがあります。
また、正確な経理データは、企業の資金繰りや投資計画、経営判断の重要な根拠です。経理業務の停滞によりデータの正確性は低下し、意思決定のスピードは鈍化、資金調達の機会損失にもつながるでしょう。納めるべき税金が算出できなければ法令違反リスクも高まります。
経理DXとは、デジタル技術を活用して経理業務を変革し、新たな価値を生み出す取り組みのことです。経理DXで業務効率化を進めることによって、少人数でも効率的に経理業務を回せる体制が構築できます。
また、情報共有をしやすくなることから、ベテラン担当者が培ったノウハウを後任者に引き継ぎやすくなります。経理業務を維持するための工夫が、企業経営の健全化につながるのです。ここでは、経理DXの手法であるクラウド会計、アウトソーシング、オンライン監査の3つについて、具体的にご説明します。
クラウド会計では、金融機関取引データの取得・仕訳・記帳・科目別集計などを自動化可能です。これらの業務は経理担当者の手を離れるため、工数削減と同時に属人化解消も実現します。また、入力や転記、計算を手作業で行う必要がなくなるためヒューマンエラーが消滅し、正確性も向上します。
また、クラウド会計はIDとパスワードによって管理され、権限を持つ関係者はいつでもどこからでもデータを共有可能です。このデータはリアルタイムで更新されるため、経営陣や営業担当者の迅速かつ的確な判断に役立ちます。さらに、操作履歴と反映結果が記録されるため、これをマニュアルとすることで引き継ぎの円滑化が期待できます。加えて、不正行為の抑止効果もあるでしょう。
経理アウトソーシングとは、経理業務の一部または全部を委託する方法です。経理の専門知識とノウハウを持つ業者が代行するため、法改正や制度施行にも適切に対応し、業務精度が向上します。
また、アウトソーシングは、繁忙期だけのスポット利用や後任の採用までの期間限定依頼も可能です。委託コストはかかりますが、採用・教育コストと比較すると、即戦力となるアウトソーシングのほうが費用対効果も高いでしょう。
経理アウトソーシングは、クラウド会計と併用することで、さらに効果を発揮します。
アウトソーシングとクラウドの効果的な活用法については、下記コラムでも詳しく解説しています。
https://keiri-outsourcing.com/column/column-10316/
経理効率化の次の一手!アウトソーシングとクラウド連携で業務改善
中小企業の経理体制強化には、専門家の手を借りることも効果的です。顧問契約を結ぶ税理士とクラウドツールを共有し、定期的なミーティングで企業成長を狙います。
また、リモート環境で財務状況の確認・報告を可能にするオンライン監査を導入することで、時間や場所にとらわれない経理運営につながります。オンライン監査の導入の流れや注意すべきポイントは、次の通りです。
まず、オンライン監査に対応している税理士法人・事務所と契約することが必須です。一口に「オンライン監査」といっても、専門家によって対応が異なるため、自社の希望する内容かどうかをチェックする必要があります。
税理士とデータ共有を行うためには、社内へのクラウド会計やZoomなどのオンラインミーティングツールを導入します。既に導入しているツールが利用できるかどうかも重要なポイントです。業者のセキュリティ体制やサポート体制についても確認しておきましょう。
経理DXを導入する際は、業務フローの見直しが欠かせません。また、DX導入後の運用体制の設計も重要です。ここでは、DXの導入を成功させるためのポイントを3つのステップに分けてご紹介します。
現状の経理業務フローを洗い出し、属人化や非効率な業務を特定することがDX導入の第一歩です。マニュアルが整備されていない業務や特定の担当者に依存している作業などのボトルネックを「見える化」して、優先的に改善すべき業務を明らかにします。経営者が経理業務を兼務している場合には、経営判断と実務作業の役割を明確に区別しましょう。
クラウド会計や経理代行サービスは、自社の規模や業務範囲に合ったものを選ぶことが重要です。多機能性や他社の高評価を基準に最新サービスを選んでも、自社にとって不要な機能が多ければ、使用しない分のコストが無駄になります。
ステップ1で明確になった課題の優先順位をもとに、必要な機能を備えたクラウドツールを選定しましょう。また、自社の業種や業務特性に精通した代行業者を選ぶことで、導入後のミスマッチやトラブルを回避できます。あわせて、対応可能な業務範囲や料金体系、情報セキュリティ体制などを確認し、自社に適しているかどうかを見極めることが大切です。
DXは、導入することがゴールではありません。DX導入後も経理業務の効率化を維持することが目的です。そのためには、運用ルールの設定だけでなく、ツールを使用する担当者教育や、定期的な運用状況の見直しが重要なポイントとなります。こうした継続的な改善を行うことで、DX導入の効果を最大化できるのです。
自社の課題やDXの目的、具体的な運用ルールは、経理担当者だけでなく社内全体に周知することが重要です。業務マニュアルの作成やトラブル対応手順の明文化など、情報を共有しやすい体制を構築しましょう。
これにより、経理業務の属人化が解消し、担当者以外でも業務を代行できるようになります。その結果、経理担当者の不在による業務停止リスクが低減するため、休暇取得のハードルが下がります。ベテラン担当者の退職を迎えても、業務の引き継ぎがスムーズに進むでしょう。こうした仕組みづくりには、社内研修や外部サポートの利用も効果的です。
経理DXは、中小企業の人材不足を補うために有効な手段です。また、将来にわたって安定した経営を支える基盤強化にもつながります。経理業務の「脱属人化」や「標準化」を図ることには、次のような大きなメリットがあるのです。
クラウド会計の導入は、単なる業務効率化にとどまりません。財務状況をリアルタイムで把握できるようになり、データの蓄積や分析も容易になります。集計作業の自動化により、税務申告や決算業務の効率化も可能です。正確なデータに基づいた計画立案や経営判断ができるため、経営の安定性向上や企業成長にも貢献します。
クラウド会計の導入によって煩雑な定型業務を自動化すれば、経理担当者は「人の判断」が求められる業務に集中できるようになるでしょう。人を減らすのではなく、限られた人材をより付加価値の高い業務に配分できる環境が整うことで、人件費の最適化や教育コストの削減にもつながります。さらに、業務の可視化と標準化が進むことで、人員配置の柔軟性も向上し、急な欠員にも対応可能です。
中小企業の多くは、人材不足やベテランの高齢化といった課題を抱えています。しかし、社会的な人材不足は深刻さを増し、特に経理人材の確保は容易ではありません。
このような状況下だからこそ、経理DXが大きな効果を発揮します。
クラウド会計や経理アウトソーシングの導入は、業務の標準化や属人化からの脱却を実現させます。これによって、安定した経理体制を構築できるのです。
弊社では、プロの視点で貴社の状況を的確に判断し、最適な経理DXについてご提案から導入、アフターフォローまで一貫してサポートいたします。
初回のご相談は無料で承っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
神奈川 横浜・町田経理アウトソーシングオフィスは、経理・税務・経営に関するお客様のあらゆる課題を解決する総合会計事務所です。創業50年以上の歴史を持ち、約100名の専門家がお客様の事業を力強くサポートします。
約100名体制の経理・税務・経営のプロフェッショナルが、お客様の状況に合わせた最適なソリューションを提供します。複雑な課題も多角的な視点から解決に導き、お客様の成長を強力に後押しします。
会計・経理業務から給与計算、各種コンサルティングまで、DX化推進とアウトソーシングを支援します。これにより、お客様は本業に集中でき、業務の効率化と人件費などのコスト削減を同時に実現します。
最新のクラウド会計システムを積極的に活用し、経営数値のリアルタイムな把握を可能にします。これにより、迅速な経営判断をサポートし、事業の成長を加速させます。
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