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コラム

2025.10.26
人手不足を逆手に取る経理DX戦略:ムダを消す8つの業務改善ポイント

慢性的な人手不足の中、限られた人材で業務を回すには、仕事そのものを見直す発想が欠かせません。特に経理を含むバックオフィス業務は、手作業が多く繁閑差も大きいため、DX(デジタルトランスフォーメーション)による自動化・省人化の効果が出やすい領域です。本コラムでは、経理DXによって消滅する8つのムダと、その改善効果について解説します。

≪目次≫
人手不足時代の経営課題は「業務の見直し」で乗り越える
経理DXで消滅する8つのムダとその改善効果
まとめ

人手不足時代の経営課題は「業務の見直し」で乗り越える

年々深刻化する日本の人手不足は、人口減少・高齢化・都市部への労働力集中などを起因とする社会構造的な課題です。少子化により働き手の絶対数が減り、特に中小企業では必要な人材を確保することが難しくなっています。

限られたリソースを活かすためには、業務の見直しや省力化といった「仕事を減らす工夫」が必要です。なかでも、経理や総務などのバックオフィス業務は、DX(デジタルトランスフォーメーション)によって効率化しやすく、業務削減の起点として最適です。

ノンコア業務の見直しが経営効率を左右する

ノンコア業務とは、直接的な利益創出には関与しない補助的な業務を指します。代表的な業務として経理・総務・人事などが挙げられます。これらの業務は手作業中心で紙ベースの作業が多いため、DXで自動化・省人化しやすく、高い効果が期待できます。こうした支援的な業務の効率化は、コア業務にも好影響を与え、結果的に経営効率の向上にまで貢献するものです。

経理DXは企業全体の変革の起点になる

DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略称で、デジタル技術を活用して業務効率を高め、組織や経営の在り方を変革する取り組みです。経理業務には煩雑な定型業務が多く、書類の電子化や入出金管理の自動化、クラウド型システムの導入など、すぐに始められる施策が多くあります。経理DXを起点にすると、企業全体の業務改善や人材配置の最適化へとつなげやすくなるでしょう。

経理DXで消滅する8つのムダとその改善効果

経理業務は、日々発生する金銭取引を正確に記録・管理する部門です。繁閑差が大きく、煩雑な定型業務が多い経理業務には、長年の慣習や仕組みによって蓄積された「ムダ」が多く存在しています。また、中小企業では1人の担当者に経理業務を含むバックオフィス業務を一任するケースが多く、属人化やボトルネックといったさらなるムダの原因にもなっているのです。

ここでは、経理DXの導入によって消滅する「8つのムダ」と、それぞれの改善効果について、具体的に解説します。どのムダがどのように解消されるのかを理解することで、自社に適したDX施策の選定に役立つでしょう。

【ムダ1:根本的な工数】インボイス対応で増えた作業を自動化

経理業務は、会社経営に欠かせない重要な業務です。しかし、請求書や領収書の発行・受理、仕訳記帳、集計、転記など、作業に多くの工数と時間を要します。さらに、2023年10月に施行されたインボイス制度により、適格請求書における登録番号のチェック、税率ごとの仕訳区分、仕入税控除の判定などの確認作業が増加しています。

クラウド会計とAI仕訳で工数を根本から削減

多くのクラウド型会計システムにはAI仕訳機能が搭載されており、企業間取引の請求書・領収書データや金融機関の入出金データなどを自動取得し、適切な仕訳記帳を行います。また、インボイス登録番号照会、インボイス要件チェック、控除判定などを自動化することも可能です。担当者は、AIによって仕訳されたデータを確認するだけで良くなり、大幅な工数消滅が実現します。

【ムダ2:二度手間】帳簿転記や重複管理を一元化

経理業務では、目的ごとに複数の会計帳簿を作成します。その理由は、財務状況の把握、取引内容の集計、売上や債権の管理など、異なる視点で情報を整理・活用するためです。こうして帳簿ごとに記録対象や集計単位を分けることで、経営判断に必要な情報を正確かつ効率的に抽出できるのです。しかしながら、転記ミスや更新漏れが発生しやすく、確認作業や再入力といった「二度手間」の原因にもなっています。

統合システムで帳簿管理を一元化

クラウド型統合型会計システムでは、企業に関わる金銭情報を一元化し、会計業務の統合的な管理を実現させます。さまざまな観点で集計・出力できるため、帳簿を別々に作成する必要がなくなり、重複保存や転記といった二度手間作業が完全に消滅するというわけです。

【ムダ3:確認作業】クラウドでリアルタイム共有

従来の経理業務は、紙や経理担当者のPCにインストールされた会計ソフトで管理されることが多く、情報確認を担当者に依存している状態でした。数値確認には経理担当者を介する必要があり、そのために生じる確認待ちの時間は、営業活動の停滞や意思決定の遅延を招きます。特に、取引先との交渉中に正確な数値を即座に確認できなければ、ビジネスチャンスの損失にもつながりかねません。

クラウド環境で情報共有を即時化

クラウド型会計システムでは、データをオンライン上のクラウドサーバーに保存します。そのため、インターネット環境さえあれば、いつでもどこからでも操作可能です。経理担当者を通さなくても、経営陣や営業部門が直接数値を確認できるため、確認依頼や待機時間が消滅し、業務スピードが向上します。ID管理や外適切な権限設定により、セキュリティを保ちながら情報共有の利便性を高めることができるでしょう。

【ムダ4:保管と破棄】電子帳簿保存法で紙管理から脱却

会計帳簿や取引資料は、税法によって7~10年間の長期保管を義務づけられています。従来の紙管理では、ファイリング作業や管理台帳の作成、保管スペースの確保が必要です。また、保管期限を過ぎた書類の破棄にも法的配慮が求められ、非効率な作業が継続的に発生します。

電子保存で保管業務を効率化

2024年施行の電子帳簿保存法改正により、すべての企業に対して電子取引データの保存が義務化されました。必要書類を電子化してクラウド上に保存すると紙保管の手間が不要になり、保管スペースの削減と法令対応の効率化が可能になります。

【ムダ5:検索・捜索】データベースで即時検索

紙書類の検索は手作業で行う必要があり、目的の書類が見つからない場合には捜索に時間を要します。コクヨ株式会社が2022年に実施したアンケート調査によると、書類の捜索に費やす時間は1日平均13.5分、年間に換算すると54時間になるそうです。こうした「探しものをしている時間」は業務中断やストレスの原因となり、業務効率の低下を招きます。

検索機能付きクラウド管理で捜索ゼロへ

デジタル化されクラウド管理された書類は、データベース検索機能により即座に発見可能です。取引先名、日付・期間、金額、勘定科目など、複数の条件を組み合わせて検索すれば、ピンポイントで目的の書類にたどり着くことができます。これにより、今までかかっていた捜索時間がゼロになり、担当者のストレスも軽減されるでしょう。

【ムダ6:法律の勉強】法改正対応はシステムに任せる

経理担当者は、社会保険の仕組みや税法といった専門的な知識を求められます。しかし、関連法の改正や新制度の施行は毎年のように行なわれているため、経理担当者は独自に勉強し続けなければなりません。制度理解に時間を割かれることで、日常業務の遅延や対応漏れのリスクが高まるのです。

自動アップデートで法改正に即対応

クラウド型会計システムでは、法改正などに対応したバージョンアップが自動で行われます。税率の変更、適正な帳票フォーマットの更新などはすべて自動的に反映されるため、担当者が手作業で変更する必要がなくなります。対応漏れや変更ミスの心配がなくなると同時に、1人経理の勉強にかかる負担も軽減されます。

【ムダ7:不正リスク】業務の可視化で抑止力を強化

「不正のトライアングル」は、アメリカの組織犯罪研究者であるD.R.クレッシーが提唱しW.S.アルブヒト博士が体系化した理論で、多くの企業がリスク管理に活用しています。不正のトライアングルでは、借金やミスの隠蔽など不正を行う「動機」、業務の属人化や監視機能不全など不正を実行しやすい「機会」、会社が悪い、誰もがやっているといった不正への「正当化」の3要素が揃ったときに不正行為が実行されるとしています。経理業務が属人化すると、チェック機能が働きにくくなり、不正の温床となる可能性があります。

DX化で監視と共有を常態化

クラウド型会計システムでは、アクセス履歴や作業ログの保存が可能です。業務の可視化や情報の共有が容易になることで他者の目が届く環境となり、不正の「機会」が消滅します。リスク管理が強化され、企業全体の信頼性向上にも貢献するでしょう。

【ムダ8:人材コスト】採用・教育コストを削減

DX化には、導入費用やシステム使用料などがかかります。そのため、コスト増がネックとなり導入に慎重な企業も少なくありません。しかし、DX推進によるペーパーレス化や業務効率化はトータル的なコストダウンにつながります。

また、経理業務が属人化している場合、専用人材の採用・教育・引き継ぎにも継続的なコストが発生します。人材が定着しない場合は、再教育や業務の再構築が必要となり、企業にとって大きな負担です。こうした人材コストのムダは、業務の標準化とDX化によって根本から削減できます。

業務標準化で人材活用を最適化

経理DXの効果は、まず自動化・省人化による工数削減が顕著です。DXにより業務標準化が実現しているため、属人化や専用人材に依存した体制はなくなります。さらに、自動化は作業漏れやミスといった人的エラーを消滅させ、精度・正確性の向上にも貢献します。リアルタイムで最新かつ正確な財務状況を活用できる環境は、経理業務のみならず企業全体の業務効率の改善につながるでしょう。

こうした業務改革により、人的リソースに余裕が生まれることが予想されます。このように人手不足をクラウドツールで補えば、人材をよりコアな業務へと再配置することも可能になり、人材活用の最適化が実現するのです。

まとめ

業務のムダを可視化し、削減することで、限られた人材を最大限に活かす経営が可能になります。

中小企業が直面する深刻な人手不足の解消には、バックオフィスのDX化による業務削減が効果的です。

人手不足、制度対応、業務負荷の増加といった課題が重なる今こそ、経理DXの導入を検討すべきタイミングです。

DX化は、企業に合った方法でおこなうことが大切です。

弊社では、業務フローの見直しからツール選定、導入支援まで一貫して対応可能です。

まずは初回相談を無料で実施しておりますので、お気軽にご相談ください。

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この記事を担当した税理士
株式会社YMG コンサルティングラボ 部長代理 興梠 貴裕
保有資格弥生インストラクター資格 / 日商簿記3級
専門分野IT
経歴業務系システム業界に身を置いて12年目。様々な業種のお客様のシステム導入に関する多くの相談実績が有り 導入実績も多数。常にお客様目線で対応し、お客様の課題解決に全力で取り組む姿勢に定評有。
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