2024.11.21
経営者の経理兼務はコスト削減になるのか?見落としてはならない「社長の価値」
経営者が兼務する経理業務とは 少子化の進行によって、わが国の生産年齢人口(15~64歳)は減少を続けています。それを補っていた高齢者の就業者数も近年では減少に転じていることから、人材不足の問題はより…
記帳代行とは、日々発生する売上や仕入、経費の支払いなどを会計システムに入力するというサービスです。会社のお金の流れを正確に記録する帳簿作成は、企業の経営状態を把握するためにも重要な業務です。
しかしながら、中小企業の場合、経理担当者が他のバックオフィス業務も兼任していたり、専任者がいないため経営者自身が担っていたりするケースが多いのではないでしょうか。そこで、記帳を外部に委託することで、経理業務の停滞を防ぎ、効率よく回せるようになるでしょう。記帳に時間がかかり本業が疎かになっている、逆に記帳業務が追いつかず会社の数字がわからなくなっている、といった悩みを抱える企業におすすめです。
2014年(平成26年)1月に施行された税法改正により、法人はもちろん、事業所得等のある白色申告者にも記帳・帳簿等の保存が義務化されました。これにより、これまで経理担当者をおいていなかった小規模事業者に記帳代行のニーズが増えています。
また、2023年(令和5年)分の申告より、税務調査によって売上に関する記帳や保存が不十分であると認められた場合には、従来よりも重いペナルティ税が課されることとなりました。より正確性の高い記帳が求められる中、会計システムによる記帳の自動化と簿記知識を有する専門家による記帳代行が注目されています。
記帳代行を始めとする「経理業務代行」を受託する業者の多くは、税理士事務所や税理士法人などが行っています。なぜなら、経理業務の一環である決算申告は税理士にしかできない独占業務の1つだからです。税務相談・税務書類作成・税務代理の3つは、税理士資格を持っていない第三者に委任することはできません。
しかし、記帳代行業務自体は資格不要なため、「記帳代行専門」としてさまざまな業者が行っています。企業によっては、とにかく煩雑な記帳業務さえ代行してくれたら助かるというケース、給与計算や年末調整など幅広い経理業務を委託したいケースがあるでしょうから、希望に合った業者を選定する必要があります。
従来の記帳代行は、取り引きに関する資料を預かって、手作業による記帳を行っていました。
このとき、企業は領収書や請求書などの証憑類を1カ月分まとめて提出し、業者はそれを元に入力作業を開始します。そのため、企業側で把握できる情報に2カ月程度のタイムラグが生じるという点、証憑類原本をやり取りする過程での紛失リスクなどが問題視されていました。
クラウド型会計システムの登場により、従来の問題点は大きく改善されました。金融機関やクレジットカードを利用した取引データの自動取得が可能となり、手入力によるタイムロスやヒューマンエラーリスクなどが解消されています。クラウドサーバーを介して電子証憑類のやり取りができるため、原本紛失のおそれや郵送コストもなくなりました。
また、クラウド型会計システムは、クラウドサーバー上にあるシステムにインターネットを通じてアクセスする仕組みです。運営会社によって保全管理されているため、セキュリティ対策や法改正への対応も適切に実施されます。パッケージを購入して各々のパソコンにインストールする手間もなく、企業の負担はほとんどなくなるでしょう。
利便性が向上した「クラウド型記帳代行」ですが、以下のようなデメリットもあります。自社にとって導入のネックとなるかどうか、十分に検討することが大切です。
どのくらいのコストがかかるかは、企業規模や取引件数、委託内容によって異なります。また、委託先業者や利用システム、サービス内容やプランによっても違いがあるでしょう。いずれにしても、記帳業務の委託料、クラウド型会計システム利用料といった維持費用がかかります。別途、会計システムの導入費用、その他サポート料金などが発生することもあります。
契約前に、よく確認しておくことが大切です。
記帳業務を外部に委託することで、自社内には記帳作業のノウハウが蓄積されないこととなります。いずれ経理業務の内製化を予定しているのなら、丸ごと委託するのではなく一部分のみ委託するなどの工夫が必要でしょう。また、経理人材確保の目処が立ったら、委託先に別プランとして内製化移行サポートを頼めるか打診してみるのも手段の1つです。
当分は外部委託を続けるつもりならば、それほどのデメリットにはなりません。
先に紹介した通り、記帳代行だけを行う場合には資格不要で、実務経験も問われません。そのため、中には事務レベルが一定の水準にない業者もいるでしょう。そういった業者に委託した場合、期待するような業務効率化が果たせない可能性もあります。
業者を選定する際には、以下を目安にして慎重に検討することが大切です。
・有資格者の在籍
税理士がいない記帳代行業者が税務申告や個別の税務相談を行うことは税理士法違反となり、懲役または罰金が科されます。委託当初は記帳代行のみでかまわないと思っていても、企業の財務状況や経営環境に応じて悩みや質問が生じることは珍しくありません。契約前に有資格者の有無を確認することはもちろん、将来を視野に入れて検討することをおすすめします。
・外部認定資格の取得
セキュリティ対策の不備は、情報漏洩やデータ損失などのリスクが高まります。脅威に対するサイバーセキュリティ対策と管理体制に対する情報セキュリティ対策、どちらも整っている業者に委託することが重要です。セキュリティに関する外部認定資格を取得しているかどうかは1つの基準となりますので、しっかりと確認しておきましょう。
・自社の希望に対応してくれるかどうか
一口に記帳代行といっても、企業ごとに内容が異なります。一方で、業者にも得意不得意があるものです。自社の業種や企業規模に強い業者を探し、事前面談で自社の希望を伝えて対応可否を確認しましょう。業者ごとの得意分野は、代行業者が運営するWebサイトのプランや実績から読み取れます。
近年、中小企業におけるDX化が推奨されています。クラウド型記帳代行を導入して業務効率化を図ることも、DX化を推進する方法の1つです。最後に、クラウド型記帳代行を利用することで得られるメリットを紹介します。
日々の記帳作業を委託すると、単純に「その分の手が空く」ことになります。経理担当者がバックオフィス業務全般を兼務している場合は、空いた時間を他の業務遂行に使えるでしょう。記帳作業に追われて残業や時間外労働が増えていた場合は、労働環境の改善につながります。また、経営者自身が記帳作業を担っていたケースでは、本業に専念できるという大きなメリットが得られるのです。
また、クラウド型会計システムの導入で、電子帳簿保存法に準じることができます。一部の紙資料を除き、ほとんどの伝票がデジタルベースになるため、ペーパーレス化が進むでしょう。これにより印刷コスト・保管コスト・廃棄コストなどがなくなります。
クラウド型会計システムは、インターネット環境があれば、いつでもどこからでも情報にアクセスできる点が大きなメリットです。IDとパスワードによって権限管理するため、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスも問いません。営業先などでもリアルタイムで業績確認ができるため、営業機会の損失を防ぎます。
また、任意の条件を満たすデータの抽出や分析、予測などもすぐに反映されるため、スピーディな経営判断に役立ちます。
経理業務は定型業務と年次決算業務との繁閑差が大きいのが特徴です。通常は、定型業務に合わせたリソース配分となっているため、繁忙期には経理担当者や応援として集められる他部門社員に大きな負担がかかっていました。クラウド型会計システムでは、月次集計から年次決算資料作成まで自動で行えるため、繁忙期だからと特別な対応を取る必要がありません。
税理士事務所や税理士と提携している記帳代行業者ならば、日々の記帳から年次決算資料作成、そして確定申告まで、経理に関する業務をすべて委託することも可能です。また、委託先の税理士に、経営状態や財務状況を確認してもらい、節税やコスト管理、予算計画などのアドバイスを受けることもできるでしょう。
社外に、自社の日々のお金の流れから財務状況まですべてを把握している経理のプロがいるという安心感は、内製では得られません。社内に経理担当者を置かないという選択をした中小企業にとって、心強い味方となることでしょう。
クラウド型記帳代行の導入は、単純な工数削減以上のメリットをもたらします。
また、クラウド型会計システムを導入するという点だけを見ても、業務効率化やペーパーレス化によるコストダウンにつながります。
このことから企業に余力が生まれ、リソースの再配分ができれば、生産性向上や業績アップも期待できるでしょう。
経理事務にまで手が回らない中小企業やベンチャー企業、個人事業主、フリーランスの方は特に利用する価値があります。
導入する際には、代行業者の選定を慎重に行うことが重要です。
弊社では丁寧なヒアリングによって、貴社のご希望に合ったプランのご提案をしております。もちろん、税理士が在籍しておりますので、記帳業務以外を請け負うことも可能です。
無料相談やオンライン相談も受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。
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