2026.05.18
経理DXで競争力を高める方法とは?中小企業の導入事例と効果を解説
経理DX(デジタルトランスフォーメーション)は、単に経理業務を効率化するだけでなく、中小企業の競争力を強化するための重要な取り組みです。クラウド型会計システム(以下、クラウド会計)の導入やアウトソ…
監査対応のたびに、紙資料の整理や日程調整に追われている中小企業は少なくありません。近年は、オンライン会議ツールや電子データを活用した「オンライン監査」が広がり、こうした負担を軽減できるようになってきました。本コラムでは、訪問型監査との違いやオンライン監査の進め方、クラウド活用による効果をわかりやすく解説します。
<目次>
監査とは、企業の経理処理や証拠書類の管理が正しく行われているかを確認し、数字の信頼性を確保するためのチェックです。取引を記録した帳簿と、領収書・請求書などの証拠書類を照合することで、ミスや不正の早期発見につながります。数字の裏付けを確かめながら帳簿を整えることで、経営判断の精度を高める役割も果たします。
訪問型監査は、税理士が企業を訪問し、経理資料やローカル会計ソフトを直接確認しながら進める方法が一般的です。経理資料は、請求書・領収書・通帳コピーなど紙の書類が中心で、ひとつひとつ目を通しながらその場で質問や確認が行われます。
このように、紙の書類を中心に対面で確認を進める訪問型監査では、経理担当者の負担が大きくなりがちです。特に、資料準備や会議室の確保、日程調整など、実務面での手間が発生しやすい点が課題として挙げられます。代表的な課題は次の通りです。
1年分の請求書や領収書を整理・ファイリングする作業が発生し、数百枚規模になることもあります。日付順に並べ直したり、取引先ごとに仕分けたりと、分類の手間もかかります。資料が分散保管されている場合は、それらをまとめて整えるだけでも多くの時間を要するでしょう。
税理士訪問に合わせて、会議室や受付対応が必要になります。小規模企業では会議室が不足しがちで、通常業務との調整が困難な場合もあります。
税理士の移動時間を考慮したスケジュール調整が必要となり、監査日程の柔軟性が制限されます。企業側も訪問可能な日時に合わせなければならず、通常業務との両立が難しくなりがちです。さらに、移動に伴う交通費が発生する点も負担の1つです。
紙資料は必要な書類をすぐに取り出せず、確認に時間がかかる点が大きな課題です。請求書や領収書が月別・取引先別に分類されて保管されている場合、まずはすべてがそろっているかを確かめるだけでも相応の作業量になります。抜け漏れがないかをファイルごとに見直し、仕訳や帳簿と照らし合わせる工程にも時間を要し、紛失リスクも避けられません。
オンライン監査は、ZoomやTeamsなどのオンライン会議ツールを使い、画面共有や電子データを通じて実施します。企業側は財務資料をPDF化して事前に共有し、当日はオンライン会議で帳簿や証拠書類を確認する流れです。質問や指摘は音声やチャットでやり取りでき、紙資料や移動を必要としないため、すべてデジタル環境で完結します。
2022年施行の改正電子帳簿保存法(電帳法)により、電子データでの保存が求められるようになりました。さらに、コロナ禍でテレワークが広がり、オンライン会議ツールが一般化したことも普及を後押ししています。業務を効率化したい企業と、監査業務をスムーズに進めたい税理士事務所の双方でニーズが高まり、オンライン監査の導入が進んでいます。
クラウド会計ソフトを導入していなくても、オンライン会議ツールの画面共有で帳簿画面を見せれば、オンライン監査は実施できます。ローカル会計ソフトやエクセルで管理している場合も、領収書や請求書をスキャンして電子化したり、必要な資料を事前に郵送したりすることで対応可能です。
オンライン監査には、経理担当者の負担軽減、監査スピードの向上、コスト削減といった多くのメリットがあります。デジタル環境で完結することで、訪問型監査で発生していた非効率を大幅に改善できます。
紙資料の準備や来客対応が不要になるため、監査前後の作業量が大幅に減ります。さらに、オンラインで日程調整ができるため、担当者の予定に合わせやすくなり、業務を中断する時間も最小限で済みます。その結果、訪問対応に割かれていた時間を本来の業務に充てられるようになり、全体の生産性向上につながります。
事前に電子データを共有できるため、監査当日は確認作業に集中でき、全体の進行がスムーズになります。検索機能を使えば必要な資料を瞬時に表示できるため、紙資料のようにページをめくって探す必要がありません。帳簿との照合作業も効率化され、監査全体の時間短縮につながります。
印刷・コピー費用や交通費が不要になるため、監査にかかる直接的なコストを抑えられます。さらに、紙資料を保管するスペースや管理にかかる手間も減るため、間接的なコストも削減できます。デジタル化が進補うことで、長期的には運用コストの最適化にもつながります。
オンライン監査はクラウドなしでも実施できますが、クラウド会計を活用することで効率と精度がさらに高まります。クラウド会計はインターネット上でデータを管理し、複数の利用者がリアルタイムで同じ情報にアクセスできます。また、証拠書類の自動保存や仕訳との紐づけができるため、監査に必要な情報をすぐに確認できる点も大きな特徴です。
クラウド会計を導入すると、企業と税理士が同じデータをリアルタイムで共有できます。監査に必要な情報が常にそろった状態でやり取りできるため、資料の受け渡しや更新確認にかかる時間が削減でき、監査プロセス全体がスムーズに進みます。また、データが一元管理されることで作業状況が可視化され、コミュニケーションの誤解や行き違いも起こりにくくなるでしょう。
税理士は、クラウド上で帳簿や証拠書類を事前に確認できるため、突合やチェックを前倒しで行えます。当日は、疑問点の確認に集中でき、監査全体の時間短縮につながります。
クラウド会計では、金額・日付・取引先などの条件で瞬時に検索できます。紙資料のように探し回る必要がなく、求めていた資料を即時に表示可能です。また、帳簿との照合作業の正確性も高まり、ミスの減少につながります。
クラウド会計では、ユーザーごとにアクセス権が管理され、入力や修正の履歴が自動で記録されます。誰がいつ何を変更したかが明確になることで、改ざん防止やミスの早期発見に役立ち、データの信頼性が高まります。こうした機能により、監査の前提となる情報の真正性を確保できるというわけです。
クラウド会計で日常的に更新される経理データを共有することで、税理士は仕訳の傾向や処理の偏りを把握でき、課題を見つけやすくなります。その結果、改善策の提案もより具体的になり、監査後も継続的に状況を確認しながら、経理体制の強化や業務改善を進めやすくなるでしょう。
クラウド導入によるオンライン監査には、多くのメリットがありますが、経営者の中には不安を感じる人もいます。特に、オンライン上でのコミュニケーションや信頼関係の維持に対する懸念が目立ちます。こうした不安には、運用面での工夫が有効です。
画面共有とチャットを併用すれば、対面と同じようにその場で内容を確認し合えるため、説明が伝わりやすくなります。さらに、議事録を共有しておけば後から内容を振り返りやすく、情報の抜け漏れや思い違いを防げます。オンライン会議でも互いの表情を見ながら話し、質問しやすい雰囲気をつくることも重要です。
オンラインでは対面よりも情報が見えにくくなるため、必要なデータをタイムリーに共有し、疑問や相談を早めに伝える姿勢が信頼の土台になります。会社の方針や現場の変化を定期的に共有し、アドバイスへの反応やフィードバックを返すことで相互理解が深まるでしょう。さらに、約束や期限を守ることで誠実さが伝わり、オンラインでも強い信頼関係を築きやすくなります。
オンライン監査を含め、税理士に相談・依頼できることについては下記コラムで詳しくまとめています。
オンライン監査はクラウド会計がなくても実施できますが、クラウドを導入することで監査の質とスピードが大きく向上します。事前確認の範囲が広がり、検索性や突合精度も高まるため、企業側の負担が軽減され監査全体の効率化を図れます。
こうした手間の削減は、中小企業のリソース節約にもつながり、全体的なコスト削減にも有効です。
弊社では、貴社のご希望に応じたオンライン監査の実施はもちろん、クラウド環境を活用したオンライン監査の運用支援も行っています。
効率化と精度向上を両立するオンライン監査について、疑問や不安などどのようなことでも一度ご相談ください。
弊社の熟練スタッフによる丁寧なヒアリングで、貴社にとって最適な環境整備をサポートいたします。
初回無料相談サービスや、オンライン相談も承っておりますので、お気軽にご連絡ください。
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